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TOYOTA JAPAN CUP 2016 インタビュー第3弾(山田昭彦)

2016.02.25

今年の1月15日(金)~17日(日)にかけて沖縄県八重山郡竹富町小浜島リゾナーレ小浜島にて開催された、JWA JAPAN TOUR 2015-16 SLALOM 第4戦の『TOYOTA JAPAN CUP 2016』のインタビュー第3弾として、プロメンズクラスで総合2位となった山田昭彦選手にインタビューしてみましたので、その内容をご紹介いたします。

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山田選手はご存じのとおり、神奈川県三浦海岸にある「TEARS」というウインドサーフィンショップを営み、レーサーをはじめ多くのウインドサーファーから兄貴的な存在として支持を得ているとともに、プロの選手としても現役で長年活躍してきているベテランのプロウインドサーファーの一人です。山田選手は、常にどのレースにおいても上位に入るトップ選手であり、このTOYOTA JAPAN CUPでも、昨年は総合3位で終えていて、それまでも、2003年~2005年においてはスラロームランキング総合1位で、それ以降もトップ3に入る日本を代表するプロウインドサーファーです。

 

今回、山田選手は、3日前にレースの舞台となる小浜島にチーム仲間とともに入り、小浜島の冬特有の強い北~北東風の中でのトレーニングに励んでいました。レース直前までもそうした風の中で最終調整を行い、万全な体制で小浜島入りをしていました。

ただし、いざレースが始まってみると、初日は風不足によりノーレースで、2日目にしてやっと北東~北寄りの風が吹いてきて、12~14ノットの中で2レース行うことができました。

 

まず、第1レースの予選ラウンドでは、8.6㎡のセイルと124Lのボードで危なげない走りでトップフィニッシュを飾ってセミファイナルへ進んでいます。

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(第1レース予選ラウンド)

 

セミファイナルでも、風が弱い中での非常にシビアなスタートと、第1マークと第3マークとでは風が弱く、強く逆に流れる潮の影響でマークのインサイドを突いてなかなか攻めることができなかったこともありますが、何とか4位でファイナルへ進んでいます。

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(第1レースセミファイナル)

 

また、ファイナルでも、スタートの良かった浅野選手や浅野選手に続いてスタートから良い走りを見せていた中井選手に続いて山田選手も3位で終えています。

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(第1レースファイナル)

 

こうしたライトウインドのレースは、スタートがとても重要で、そこで失敗するとなかなか挽回するのも難しく、また、レース中に駆け引きもなかなかできない中でのレースとなってしまうので、あまり好きではありません、と語っていた山田選手ですが、自分の走りを忠実に守りきり、成績として最後に残しているところは、今までの経験と山田選手自身が作り上げてきた自分のスタイルにこだわりを持ち、それを突き通して最後まで自分の走りを崩さなかったところは、さずが山田選手と言わざるを得ないと思います。

 

第2レースになると、多少風は上がってきていましたが、ライトウインドの中でのレースとなり、山田選手はやはり同じ8.6㎡のセイルを使ってレースに臨みました。

予選ラウンドでは、リコールぎりぎりを狙った絶妙なスタートを切った鈴木選手に続いて山田選手が2位でフィニッシュ。このときも、リコールすることのリスクを避けたのか、スタートにおいてもあまり攻めなかったと言っていましたが、鈴木選手のすぐ後ろには山田選手が走っていて、ちゃんと2位で終えるあたり、一発勝負に出るわけではなく、着実に成績を残していくことへのこだわりなのか、今まで培ってきた経験からくるものなのでしょう。

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(第2レース予選ラウンド)

 

次のセミファイナルでも、スタートを攻めなかったことから少し出遅れてしまったようですが、トップをとるよりもファイナルへ進むことに重要視していたこともあるようで、5位でファイナルへ進んでいます。

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(第2レースセミファイナル)

 

ファイナルでは、それまでの走りとは違い、スタートから勝負に出て、スタートしてからも後続の選手を抑えながら前を狙って走り切り、惜しくも浅野選手の後ろにはなってしまいましたが、浅野選手に続いて2位でフィニッシュしています。

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(第2レースファイナル)

 

これまでの山田選手の走りを見ていると、本人はリコールを避けるためにスタートではあまり攻めなかった、もしくはライトウインドだとあまり駆け引きできないので好きではない、などということを語っていましたが、ファイナルまでは着実に進んで、本番となるファイナルでは絶妙なスタートを切っていたように見えましたし、レースの中でも、マーキングなど、潮の影響などを考慮に入れて、マークとの距離感をちゃんとつかみながら、確実な走りをしながら前を走り切り、上位へ食い込んでいくあたり、ベテラン選手ならではの経験と、海の状況を最終調整の時にちゃんと頭に入れながらの走りをしているので、計算通りに試合運びをしているように見えました。それだけに、あまり大きな失敗もなく、最終的には荒れた成績にはならない要素がある理由だと確信しました。

 

最終日に行われた第3レースでは、それまでとは風向きも風速も変わり、南寄りの20ノット以上の風と時折降る激しい雨の中での非常にハードなコンディションでのレースとなりました。

そうした中で、山田選手は6.3㎡のセイルを張って海に出て、まず予選ラウンドでは、スタートからトップスピードに乗ってほかの選手とは全く違うスピードに乗ってトップフィニッシュでセミファイナルへ。

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(第3レース予選ラウンド)

 

次のセミファイナルでも鈴木選手、酒井選手に続いて3位でフィニッシュ。

 

そして、いよいよファイナルでは、いつものように本番レースと捉えて、それまでの走りとは違って気合いの入った走りでスピードに乗り、浅野選手に続いて2位でフィニッシュしています。

最後のファイナルでは、7.0㎡にすれば良かったかもと語っていましたが、それまでの突然吹き荒れる風の状況などを考慮して、そのまま予選までと同じ6.3㎡でファイナルを走ったようですが、確実性を重視した山田選手らしい選択だと思います。

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(第3レースファイナル)

 

今回の全3レースを終えて、総合で2位という輝かしい成績を獲得した山田選手ですが、やはり風が強いときの方が好きという山田選手は、最後の第3レースでは、とても山田選手らしいスピードに乗った速い山田選手を見ることができ、とてもイキイキとしていたように見えました。でも、自分らしい走りをするために、風が吹いても吹かなくても、確実に成績を残し、勝負にこだわっている山田選手に変わりはなく、それが山田選手のスタイルだという感じがしています。

 

これからもまだまだレースにはこだわり、現役でいつまでも走り続けていくと言っていましたが、年々その経験と実績とがうまく自分のものとなり、自分のスタイルで走り続けて行くことにより、さらに速くなって、若い選手たちの良い刺激になっていくことだろうと思います。

これからも良いレースを見せていただき、若い選手の育成とともに、レース界全体を引っ張っていって欲しいと思います。

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文:OCEANS MAGAZINE

写真:HARRY


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