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TOYOTA JAPAN CUP 2016 インタビュー番外編(国枝信哉)

2016.03.06

今年の1月15日(金)~17日(日)にかけて沖縄県八重山郡竹富町小浜島リゾナーレ小浜島にて開催された、JWA JAPAN TOUR 2015-16 SLALOM 第4戦の『TOYOTA JAPAN CUP 2016』のインタビュー番外編として、国枝信哉選手にインタビューしました。

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国枝選手は、今回のTOYOTA JAPAN CUP 2016では総合7位という成績で終えていていますが、一時は今大会で総合1位で優勝した浅野則夫選手の前を走り、トップフィニッシュしていることもあるので、そのときのことも含めて聞いてみました。

 

国枝選手は、前回の山田昭彦選手とともに日本を代表するトップレーサーであり、常に上位へ食い込んでくるプロウインドサーファーの一人でもあります。また、普段は、山田選手と一緒に「TEARS」を営み、三浦レーサーズクラブを盛り上げつつ、若手の育成にも力を注いでいます。

 

今回のTOYOTA JAPAN CUP 2016では、第1レース、第2レースが行われた12~14ノットというライトウインドでは、彼にとってはとても得意で好きな風域ということもあり、予選ラウンドから強気でいっていたようです。

まず、予選ラウンドでは、スタートが良かった鈴木選手に続いて2位でフィニッシュしてセミファイナルへ。

そして、次のセミファイナルでは、あの浅野選手の前を走り、なんとトップフィニッシュ。そのときのことについて聞いてみました。

まず、ライトウインドということで、スタートで失敗すると途中で抜くことがかなり困難であることと、途中逆向きに流れる潮の流れにも注意してマーキングしなげればならないことなどを頭に置いてスタートを切ったところ、かなり良いスタートを切ることができたそうです。

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(第1レースセミファイナルのスタート直後)

 

また、スタートを切ると下側には浅野選手がいたのですが、良い形で抑えることができ、まずは第1マークをトップで回航。その後、浅野選手が後ろから迫ってくるものの、第2マークや第3マークで浅野選手がマーキングで失敗していることもあって、その差を開くことができ、そのまま良い走りのままトップでフィニッシュ。

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(第1レースセミファイナル)

 

ファイナルでは、このときのイメージを抱いたまま、勝つイメージで臨んだそうです。

いざ、ファイナルが始まると、スタートでは浅野選手、中井選手などとともにかなり良いスタートを切ることができ、ここまではイメージ通り。そして、第1マークでも浅野選手、中井選手に続いて3位で回ることができ、このままいけば、どこかで前を走る二人を抜くこともできる可能性もあるので、そのタイミングを密かにはかっていたようです。

第2マークを回るころには前を走る二人に追いつき、この調子で第3マークへスピードに乗って走っていきました。第3マークまで良い調子で走って、このままいけば抜けるかも、と思いながらマーキングしたときに、前を走る二人を意識しすぎたこともあり、力が入り過ぎてなんと沈。結果7位でフィニッシュ。セミファイナルで良い結果を導いて、良いイメージがあっただけにとても残念な結果となってしまいました。

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(第1レースファイナル)

 

第2レースでも、予選ラウンドは3位でセミファイナルへ進みつつも、セミファイナルでは、前を行く選手を抜く際に、インを突きすぎて潮の流れの影響を受けてスピードを落としてしまい、うまくマーキングすることもできず、結果9位でファイナルへ進むことができませんでした。

 

第3レースでは、風が強く、雨も時折激しく降るハードなコンディションではありましたが、とても調子良く走れるセイルである6.3㎡を選んでレースに臨むことができたので、彼にとってはこのレースでも力を出し切ることを胸に誓っていました。

予選ラウンドでは、順調は走りで、3位でフィニッシュしてセミファイナルへ。

そして、セミファイナルでは、良いスタートが切れて、第1マークでは合志選手、小玉選手に続いて3位で回航し、小玉選手がマーキングで沈をしている間に2位へ上がり、第2マークから第3マークへ行く間には前を行く合志選手を抜いてトップに躍り出るものの、後ろから、何と浅野選手がスタートでは失敗していたものの猛スピードで追いあげてきて第3マークの直前で抜かれてしまっていました。このとき、もう少し攻めていれば良かったかも、と語っていましたが、そのときには後ろから浅野選手に抜かれても、セミファイナルだし、本番のファイナルで攻めていければ、と思って安全策であまり攻めることはしなかったようです。その結果2位でセミファイナルを終えて、そしていよいよ本番のファイナルへ。

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(第3レースセミファイナル)

 

ファイナルでは、常に勝つイメージを持っていた国枝選手ですが、スタートで少し出遅れてしまい、第1マークを回るころには前に5~6人程度いました。でも、第2マークから第3マークへ行く間に猛チャージを見せつけ、なんと前を行く4~5人を抜いて3位まで上がり、浅野選手、山田選手に続いてなんと3位でフィニッシュ。第2レースで自分の走りができたなかったことがとても悔やまれます。もし、それがなければ、もっと上位に食い込めていたことでしょう。

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(第3レースファイナル)

 

そうとは言っても、第1レースや第3レースにおいて、冷静沈着なレース中での判断や、海の状況を的確に読み取り、それをすぐ目の前のレースに活かして、上位を狙うことができるというのはとても強い武器になっていると思われます。

 

これからも、まだまだレースには出続けて、日本のトップになるだけの経験と実力はすでに持っていると思いますので、これからのレース展開がとても期待されます。

また、若手の育成という面でもとても力を注いでいますので、彼の背中を見ながら、若い選手が三浦海岸から出てくることを期待したいと思います。

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文:OCEANS MAGAZINE

写真:HARRY


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