WORLD PERFORMANCE インタビュー第3弾(ANTOINE MARTIN)
2016.04.08
3月に開催されたWORLD PERFORMANCEのときに来日した海外選手のインタビュー第3弾として、ANTOINE MARTINのインタビューをご紹介いたします。
NAME:Antoine Martin(アントワン・マーティン)
SAIL NUMBER:F-193
BIRTHDAY:1993.10.19
BORN:カリブ海のGuadeloupe生まれ
AGE:22歳
MAIN SPONSORS:NEILPRIDE、JP
今回来日した世界のトッププロのうち、一番最年少のANTOINE MARTINは、とてもきさくでフレンドリーな性格で、誰とでもすぐに仲良しになれる人柄です。ただし、最年少の割にはとても礼儀正しく、常に周りの人たちに対する感謝の気持ちを忘れずにいる、ナイスガイな一人でした。
でも、海に入れば年齢は感じさせず、若さゆえにかなりアグレッシブな動きやパフォーマンスを見せて切れていました。初日に行われた大会でも、彼のジャンプや波乗りの技術はさすがは世界大会を回っているだけあって、世界級な技を見せつけ、惜しくも大会では3位となってしまいましたが、もう1チャンスあれば、優勝もしていたのでは、と思わせるほどのパフォーマンスでした。
それでは早速インタビューをご紹介いたします。
OCEANS MAGAZINE(以下OM):いつからウインドサーフィンを始めたのですか?
ANTOINE:5歳のときさ。父親はWINDY SAILSというセールメーカーだったこともあるので、その影響で自然とウインドサーフィンを始めていたんだ。だから、いつも父親に教えられながらやっていたね。でも、なぜかそれが楽しくて、メキメキと上達していったんだ。
OM:キッズのときから大会に出ていたようですが。
ANTOINE:そうなんだ。なんかうまくなってきたのが面白くて、父親の勧めで大会にも出始めていたね。そう、ちょうど7歳の時かな、地元Guadeloupe島のKIDS大会で優勝したんだ。このときは、なんだかわけがわからず、ただ楽しいだけでウインドをやっていたら、いつの間にか大会で優勝できてたって感じかな。
OM:楽しいのが一番なんですね。
ANTOINE:そうだね。そのあとも何回か大会で優勝して、ちょうど14歳のときにはジュニアのフランス大会でもチャンピオンになれたんだ。
OM:14歳でジュニアチャンピオンになったってことは、プロになることを意識していた?
ANTOINE:そうだね。その前にすでにプロを意識していたけどね。
OM:それはいつごろ?
ANTOINE:12歳のときに父親の仕事の関係でMAUIへ行ったんだ。このとき、ALOHA CLASSICを初めて見て、衝撃を受けたね。体の中で何かが爆発したって感じかな。それで、自分もプロウインドサーファーになってみたいなって思い始めたんだ。
OM:プロになったのはいつ?
ANTOINE:17歳(2011年)のときかな。プロになる夢を実現できたことで、そのときはとても嬉しかったよ。でも、そのあともウインドサーフィンは楽しかったけど、すぐにはなかなかスポンサーとかには恵まれなかったから、少しだけ苦労したかな。
OM:今年はPWA総合順位は15位で終わっていますが、2014年には総合9位でしたね。
ANTOIN:そう。でもやっぱり世界タイトルをいつか捕りたいね。
OM:日本のセイラーに対して、どうしたらPWAの選手として活躍できると思いますか?
ANTOINE:普段からのトレーニング(サーフィンやスケートボード、ランニング、ジムなど)はもちろん大事だし、計画通りやり続けることがまずは重要。あとは、ウインドサーフィンが大好きで、とにかくやり続けること。それとやはり両親とかの理解や援助ももちろん必要だね。それで自分は相当助けられたから、とても感謝しているよ。でも、最後はやっぱり自分かな。世界に行ったらたった一人で何でもやっていかなくちゃいけないから、常に自分一人でもいつも頑張り切るだけのモチベーションと強い精神力を持ち続けて、決して夢をあきらめないことだね。
OM:これからの活躍を期待しています。ありがとうございました。
彼の言葉の中にもありましたが、彼自身、プロとしてここまでくるまでにはやはりかなり苦労しているようで、両親への感謝の気持ちはもちろん、自分を支えてくれている周りの関係者の方々やスポンサーの方々には心から感謝していて、それをいつも忘れないようにしている、と言っていました。
彼はまだまだ若いですが、子どもの頃から決してエリートコースをたどってきているのではなく、人一倍の努力と強い精神力を持ってここまできていることがわかりました。
昨シーズンのPWA総合順位は15位ですが、2014年は総合9位で、十分にそれ以上の順位は捕れるだけの実力はあり、さらには、彼自身が目標としているPWAの総合チャンピオンを捕る日はそう遠くはないのではと感じさせていました。
1年の約4か月は自分の故郷であるカリブで過ごせるものの、それ以外は大会などのためにハワイやヨーロッパを回り続けている忙しい彼ですが、また来年も御前崎に来てくれることを期待しています。
文:OCEANS MAGAZINE
写真:HARRY
協力:シュリロトレーディングカンパニーリミテッド