新着ニュース&ブログ

小川和幸info

大量の水草がコースを覆い尽くす。470級世界選手権4日目レポート/バルクヘッドマガジン

2016.02.26

2月25日、後半戦に突入した「アルゼンチン470級世界選手権」4日目。これまでになく朝から良い風が吹くブエノスアイレスです。スタート時刻 を10時に変更したことは、レース委員会の読みがドンピシャリだったといえるでしょう。まともにセーリングできずフラストレーションを感じている選手たち は気合十分でレース海面へ向かいましたが…。(BHM編集部)

313A5031
レース海面に大量の水草が流れてきました。このマークは下マークです。マーク回航と同時に水草に突っ込むことになります。photo by Junichi Hirai

風は吹き上がっているものの、ラプラタ川上流から流れてくる水草(先月に上流で降った大雨の影響と言われています)がレースコースに入り込み邪魔 します。風が出てきたことで、水草が(まとまって)大きなかたまりになってしまい、それを避けながら走るという極めて特殊な障害物競走となりました。

このようなヨットレースを取材することは二度とないと思われます。それほど、大量の水草がコースのあちこちにかたまりとなって、セーリングを邪魔 します。風は十分ながらも、スタートライン上のピンポイントに水草が流れてきてしまいスタートできず、ということもありました。

また、第2レースが始まる前には、レース海面全体を水草がおおってしまったため、本部船が先頭になってレースエリアを30分以上かけて大移動しました。それでも、水草の少ないエリアを探すのは非常にむずかしい状況です。

470級男子は、ニュージーランドが絶好調です。スリーボンドチームのセーリングパートナーをつとめていたチームですが、吹き上がっても風が弱くても抜群のボートスピードがあります。2位にはイスラエル世界選手権2位のクロアチアが入ってきました。

女子の上位陣は得点差も少なく切迫した展開が見ものです。頭を抜けだしたているのはフランスで、彼女たちは前週の全南米選手権に出場して優勝しました。また、2位にはロンドン五輪代表で、2013年の世界選手権で同国初の銅メダルを獲得した中国があがってきました。

日本の吉田 愛/吉岡美帆は2-9-19位で総合11位まであがりました。土居一斗/今村公彦は22位、女子の山口祥世/畑山絵里は30位。明日は予選最終日です。男子は2レース、レース数で遅れている女子は3レースおこなう予定です。

アルゼンチン470級世界選手権 4日目成績
女子 参加39艇
1. FRA Camille Lecointre / Helene Defrance 25p
2. CHN Xiaoli Wang / Lizhu Huang 28p
3. USA Sydney Bolger / Carly Shevitz 32p
4. AUT Lara Vadlau / Jolanta Ogar 36p
5. NZL Jo Aleh / Polly Powrie 43p
6. USA Anne Haeger / Briana Provancha 43p
11. 吉田 愛/吉岡美帆 65p
30. 山口祥世/畑山絵里 145p

男子 参加42艇
1. NZL Paul Snow-Hansen / Daniel Willcox 37p
2. CRO Sime Fantela / Igor Marenic 39p
3. AUS Mathew Belcher / William Ryan 48p
4. FRA Sofian Bouvet / Jeremie Mion 55p
5. SWE Anton Dahlberg / Fredrik Bergstrom 56p
6. GRE Panagiotis Mantis / Pavlos Kagialis 69p
7. ESP Onan Barreiros Rodriguez / Juan Curbelo Cabrera 69p

◎大会写真(バルクヘッドマガジン・フェイスブック)
https://www.facebook.com/bulkheader/
◎ARGENTINA 470 Championships
http://2016worlds.470.org/

16.02.24_7Z7A0575
狭い川を出港していくノエビアチーム。photo by Junichi Hirai

16.02.24_313A4434
朝一、強い風が吹いていましたが、徐々に風は落ちていきました。photo by Junichi Hirai

16.02.24_313A5157
水草を避け、蛇行運転をしながらフィニッシュへ向かいます。photo by Junichi Hirai

16.02.24_313A5503
現在総合2位でトップを狙うXiaoli Wang / Lizhu Huang(中国)。photo by Junichi Hirai

16.02.24_7Z7A0693
なかなか定位置(中順位)からあがれない土居一斗/今村公彦。photo by Junichi Hirai

16.02.24_313A4738
1-3-1位でトップを保守するニュージーランド(いつの間にこんなに速くなった?)photo by Junichi Hirai

16.02.24_313A4633
女子トップのフランスは軽風が得意? 前週の南米選手権でも優勝したCamille Lecointre / Helene Defrance

16.02.24_7Z7A0765
着艇後、センターボード、艇体をチェックする吉岡美帆。明日の3本のレースが正念場です、

16.02.24_7Z7A0762
ガスケットのキズを修理する吉田 愛。photo by Junichi Hirai
バルクヘッドマガジンより

http://bulkhead.jp/%E5%A4%A7%E9%87%8F%E3%81%AE%E6%B0%B4%E8%8D%89%E3%81%8C%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%92%E8%A6%86%E3%81%84%E5%B0%BD%E3%81%8F%E3%81%99%E3%80%82470%E7%B4%9A%E4%B8%96%E7%95%8C%E9%81%B8%E6%89%8B/


OCEANS WATCHER

小川和幸

気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長

OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360

大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。

現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。

PageTop