白畑瞬/カヌーというパドルスポーツを通して、島の歴史を見つめ直すとともに、子どもから大人に至るまで、いろいろな人にそれらを伝えていきたい
2015.06.04
白畑瞬(しらはたしゅん)
オーシャンアスリート
生れも育ちも奄美大島。
現在は、アマニコガイドサービス代表
https://www.facebook.com/shun.shirahata/about
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「かぬーに出会ったきっかけ」
17歳のときに、実兄と一緒に夜中に遊び半分でカヌーで夜のマングローブ探検に出たのがシーカヤックに乗ったのが初めて。
それまでは、ぜんそくとアトピーで海に入ることはあまり好まず、また、学生時代も特にこれといってやることもなく、自然はもともと好きだったが、とくに自然の中や海で遊ぶのが好きというわけでもなく、ましてやカヌーなどとの関わりもなかった。
ただし、この実兄とのシーカヤックの経験で、そのシーカヤックの面白さと、夜中に見たシーカヤックからの星に感動を覚えた。
でも、その後は特にシーカヤックにのめり込むことはなかったのだが、船大工のところでバイトをしていた頃、シーカヤックの修理がたまたま入り、そのシーカヤックに乗ったことにより、海から島を見たときに、島から島へ渡っていた先人たちと同じ光景を自分が見ることができる、この素晴らしいスポーツにやっと出会えた、ということから、シーカヤックに完全にのめり込むことになる。
「本格的なカヌーガイド会社を立ち上げる」
それがきっかけで、19歳~26歳までは、奄美大島でマングローブのカヌーによるガイドが有名な黒潮の森マングローブパークで、カヌーによるガイドを始める。
ただし、その後、カヌーによるナイトマングローブツアーを提案するも、なかなか実現することができず、ついに26歳のときに独立して、本格的なカヌーのガイド会社を立ち上げ、念願だったマングローブナイトツアーも初め、現在に至る。
このマングローブナイトツアーは、自分も経験させていただいたが、鏡のようのツルっとした海面の上をゆっくりとアウトリガーカヌーで進み、全く音のない世界の中で、カヌーを漕ぐパドルの音だけが響き渡り、さらには上を見上げれば、散りばめられた多くの星が広がっていて、海面にもその星や月が映り、こうした経験はなかなか言葉では表せられないほどの感動を味わうことができる。
彼は、この感動をもっと多くの方に知ってもらいたいと、日々ナイトツアーを年中行っている。ただし、このツアーはいつでもできるというわけではなく、天気や風などのその日のコンディションと、潮の動きなどがうまく合わないと、なかなかできないので、それによってさらにツアーができたときの感動は膨らむと思う。また、このナイトツアーは、お客は一切漕ぐことは無く、何もやらずに、ただカヌーに乗って星や周りのマングローブを見ていればよく、彼がいろいろな解説を加えながら漕いでくれ、また、とても良いタイミングでコーヒーも飲ませてくれるので、これ以上の贅沢はないと思う。
「沖縄~奄美単独カヌー横断達成」
その後、昨年の2014年には、奄美人としての誇りを再確認するため、そして、復帰60周年という機会に、それまでの自分の夢でもあった沖縄~奄美間を単独でアウトリガーカヌーにて横断を成功させる。
これは、決して冒険ではなく、自分の島までカヌーで渡ることにより、奄美人としての誇りをもう一度呼び起こしたいという強い願いによるものだった。
「海の安全にも高い意識を持つ」
また、彼は、22歳のときに、ライフセービングの資格を自ら取得し、島の安全にも貢献することになる。ただし、このときはまだ自分のやりたいことと周りの環境とのバランスがうまくとれず、形にすることができないままだったが、その後にある人のきっかけで、もう一度島の安全に貢献することを形にするべく、奄美ライフセービングクラブを立ち上げ、自分も副代表として活動している。
「今後の夢」
今後は、島で海をいつでも楽しめ、親しめる環境づくりをしていきたいという願いを持ち、また、カヌーというパドルスポーツを通して、島の歴史を見つめ直すとともに、子どもから大人に至るまで、いろいろな人にそれらを伝えていきたいという目標を持っている。
今年2015年は5月に行われたハワイで最も過酷と言われるモロカイレースにサーフスキー部門で出場し、納得のいく結果を出すために、日々トレーニングを続け、見事に完走を果たしている。
また、そうした経験を数多く重ね、将来的には、アウトリガーカヌーで島から島へ渡るという、もともとの夢を実現するべく、これからも生涯続けてパドルスポーツを続けていく。
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“奄美から世界の海へ”
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