小川和幸info
連載第3回 空飛ぶ日記「海に出たいのに出られない」/バルクヘッドマガジン
2016.02.09
2月に入り寒い毎日が続いています。しかし、バルクヘッドマガジン編集長は、真冬なのに寒くありません。冷たいと思うのはスロープから海へ踏み出す数歩だけ。あとは、ほとんど沈起こししているのですから熱い熱い。身体はボロボロです。(BHM編集部)
平日コソ練している編集長です。沈してばかりですが、たまに飛べちゃったりするもんだから止められません。photo by Junichi Hirai
初フライト以来、自分のなかで気持ちに変化を感じています。それは、早く上手くなりたい、ということ。翌日のセーリングを考えると夜眠れなくなるんです。こんな気持ちは、、、記憶にありませんよ。小学校の遠足以来でしょうか。
しかし、海に出たくても出られないのがモスです。セーリングできる風のレンジが一般的なディンギーよりも狭く、強風は技量がないとダメ。つまり、編集長にはまだ力不足です。そして、風が弱いとこれまた最悪で、地獄を味わうことになります。
ほっそいラダーは舵の役目を果たさず、ガシガシこいでも効き目ゼロ。オーバーヒールさせようにも、反対側のウイング(トランポリン)に水をすくってしまい進まず。ロッキングすると船は超アンバランスになりふらふらドタバタ。ひとり途方に暮れることになります。
特に葉山港の防波堤が最悪で、ここのブランケに捕まると身動きが取れなくなります。防波堤で暇してるおっちゃんの餌食となり、高台から「おい、おめー、どうやって進むんだべ?」という奇異の視線を受けることになります。こっちは何しても動かないんだっつーの。
飛べないのなら、海に出てもそれほど意味はありません。モス野郎どもが、風を「飛べるか、飛べないか」で判断する理由がよく分かりました。飛べない風で海に出てもつまらないし、つらいだけなのです。
ハーバーへ行っても海に出られないこともあるし、編集長の場合、出ても1時間すれば(疲れて)帰港する羽目になります。それでも、ちょっとの時間 でもフォイリングしたいと思うわけです。ソフトバンク・チームジャパンの吉田雄悟選手が言っていました。「練習量が上達させるのだ」と。
きょうも仕事をしながら、気象情報を何度もチェック。日本のどこかに、毎日12ノット程度、定期的に吹いているフラットな場所はないでしょうか。まったく贅沢なセーリングだと思います。
1人で海に出るのが怖いからプリペイド防水携帯を買ったら、(ジップロックに入れてたにも関わらず)動かなくなりました。ショップに持って行ったら、店員 に「これはウォータープルーフですからねぇ。水につけたりしないで下さい」と言われました。ウォータープルーフって防水ってことじゃないの? 無駄金使っ たぜ。photo by Junichi Hirai
話は変わりますが、バルクヘッドマガジンのインスタグラムが始まりましたよ。「1日1海」を目標に、その日に撮影した身近な海の写真をアップしています。おたのしみに!
https://www.instagram.com/bulkhead.jp/
バルクヘッドマガジンより
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OCEANS WATCHER
小川和幸
気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長
OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360
大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。
現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。