小川和幸info
今後の気象について
2018.08.08
午後6時現在、房総半島の南東海上を北北西へ10km/hで進んでいる台風13号は、今後もゆっくりと北上して、今夜から明日にかけて関東から東北南部へ最も接近、もしくは上陸する可能性があります。
(8月9日(木)午前6時)
(8月9日(木)午後6時)
関東では今夜が雨や風のピークとなり、東北南部ではあすの午後がピークとなりそうです。また、関東から東北南部の太平洋側にかけては大雨となることから、土砂災害や浸水、洪水の可能性もありますので、早めの避難等が必要です。すでに各自治体より発表されている場所もありますが、避難勧告等が発表された場合には、速やかに避難することが必要です。ちなみに避難勧告と避難指示の違いは、避難勧告は、速やかな避難が必要な場合に発表されるもので、発表された時点で避難すればまだ間に合うことが多いのですが、避難指示が発表された場合には、すでに避難を完了していることが必要である場合に発表されるもので、最終的に発表される最終段階のもので、避難しようとしてもすでに土砂災害が発生しているか、浸水や洪水が発生している場合が多く、避難しようとしてももう間に合わないことがあります。いわばもう手遅れにある可能性が高く、そこで避難していないと間に合わないという意味も含まれています。ですから、もし避難指示が発表された場合には、どこかですでに災害が発生している可能性があるので、避難する場合にはかなりの注意が必要で、もし浸水や洪水がかなり進んでいて避難場所等へ行けない場合には、自宅の2階や屋根の上など垂直避難するしかないことも考えられます。これらから、避難指示の発令を待ってからというよりも、避難勧告や、避難準備(高齢者等避難開始)情報が発令された場合には、速やかに避難を開始することが必要です。避難準備情報だからと言って準備するだけで避難をまだしなくて良いということではなく、高齢者や自力で避難をすることができない方はもちろん、それ以外の方でも周りの方に声をかけながら避難を開始すれば、かなり余裕をもって避難をすることもできるし、何もなければ訓練だと思って実施することが重要だと思います。
話が少しそれましたが、台風13号の動きについては油断できないので、常に最新情報をチェックして早めに行動するようにしましょう。
また、あすは台風13号は進路を北東へ変えつつ北上していきそうですが、相模湾では朝のうちから南西寄りの風が強まりそうなので、台風による南東寄りのうねりと南西寄りの風波が強まってきそうなので、引き続きジャンクでハードな状況となりそうなので、十分に注意しながら海に入るようにしましょう。
あと、本日台風14号がフィリピンの東海上で発生しています。
台風14号は、今後も勢力をやや保ちながら北上していきそうです。今のところ、12日(日)ころに奄美大島へ接近して、同日夜には東シナ海へ抜けていく見込みです。
南西諸島や奄美大島周辺では、台風14号はあまり勢力は強まらない見込みですが、接近・通過する12日(日)前後は注意が必要です。
また、そのほかの太平洋側では、台風13号による南東~南~南西寄りのうねりは10日(金)には徐々に落ち着いてきそうですが、11日(土)~12日(日)には台風14号からの南~南西寄りのうねりが西日本から関東の太平洋側において新たに反応してきそうです。また、13日(月)以降はさらにうねりの反応が良くなり、特に西日本ではハードとなる可能性もあります。
(8月10日(金)午前9時)
(8月11日(土)午前9時)
(8月12日(日)午前9時)
(8月13日(月)午前9時)
(8月14日(火)午前9時)
(8月15日(水)午前9時)
あと、まだ何とも言えませんが、14日(火)ころには日本のはるか東海上から台風がやってきて西へ進んでくる可能性もあります。
台風13号以降もまだまだ日本の南海上などでは目が離せません。今後の情報には十分に注意しましょう。
情報提供:WATER KIDS JAPAN
8月8日(水)午後8時発表
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OCEANS WATCHER
小川和幸
気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長
OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360
大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。
現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。