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吉田/吉岡、銅メダル獲得!ISAFセーリングワールドカップ・アブダビ最終日/バルクヘッドマガジン

2015.11.02

11月1日、アブダビ・ISAFセーリングワールドカップ最終日。メダルレースは2海面に分かれ、約30分刻みで9種目おこなわれました。はじま りは15ノット以上の風がありましたが、前日までと同じく徐々に落ちてくる傾向です。メダル獲得が期待される470級女子は、ちょうど風の落ちてくる最中 におこなわれました。(BHM編集部)

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ISAFワールドカップ・アブダビ最終戦で銅メダルを獲得した吉田/吉岡。おめでとう!photo by Junichi Hirai

最終メダルレースを2位で迎えた吉田 愛/吉岡美帆は、スタートから果敢に攻めます。スタート1分前にライバルとなる、イギリス、オーストリアがせめぎ合うなかに寄せて相手を牽制しながらス タート。イギリスがオーストリアを弾いてタックさせた後、日本とイギリスがスターボードタックでストレートラインを伸ばします。

吉田/吉岡は風上側に立つイギリスと並んで左海面へ。レース海面は右海面が有利に見え、風が落ちてくるなか上マーク周辺で右にシフトが入り万事休 す。左海面を選んだ吉田/吉岡は上マークを後位置で回航します。この時点で右海面に逃げたオーストラリアがシフトをつかんで2位回航。吉田/吉岡は出遅れ てしまいます。

一方、山口祥世/畑山絵里は、スタート後にフリースペースを保持して右展開。スターボートのレイライン上でワンプッシュのブローも手助けして、上 マークをトップ回航します。一時オーストリアに抜かれる場面もありましたが、トップに返り咲き、最終メダルレースを1位。前日第6レースから連続のトップ フィニッシュで、総合4位まで上がりました。

吉田/吉岡は後位置から1艇、1艇を追い抜き、最終5位フィニッシュ。オーストリアに1点差で逆転を許しましたが、銅メダルを獲得しました。

「(メダルレースで)判断ミスがあったことは悔やまれます。でも、メダルを取ることは大切だと思いっているので、それはうれしい。今回は、あえて チャーター艇を選び、乗りにくいボートで戦い、風の弱い中でレース展開をよく見ることを課題にしていました。風は予想以上に吹きましたが、良い経験になり ました。今後も(リオで吹く可能性が高い)軽風をターゲットに練習していきます」(吉田 愛)

「メダルレースは前後とポイント差がなかったので、緊張したなかで戦いました。強風になれば、クルーワークも思い切りできるし、走りも上位チームも 変わりません。風が落ちてきた時のロッキング、パンピング、ヒールバランスの動きで差がでる。こうしたテクニックを上達したい」(吉岡美帆)

470級女子は、トップ3艇が大接戦で戦う緊迫のISAFワールドカップとなりました。優勝は、ロンドン五輪銀メダルのイギリス、2位は2014 年、2015年世界選手権優勝のオーストリアです。吉田 愛/吉岡美帆は、W杯アメリカ・マイアミ(銅)、W杯中国・青島(金)、W杯UAE・アブダビ(銅)と今年3大会でメダルを獲得し、課題出しと克服を繰り 返す地道なトレーニングが結果にあらわれてきています。

また、すでに東京五輪へ向けて走り始めている山口祥世/畑山絵里は、自艇を持ち込む意気込みもあり、手応えのあるレースを経験しました。山口/畑 山は、今年もっとも成長したチームといえるかもしれません。日本470女子の活躍は頼もしくもあり、そして、彼女たちに続く、若いチームの登場を願ってや みません。

次回の戦いは、11月後半に開催される境港470級全日本選手権です。果たしてリオ五輪代表チームに牙を向けるチームはあらわれるのでしょうか? 今年の戦いも楽しみにしたいと思います。

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日本2艇、風上側にイギリス、オーストリアと並んでスタート。photo by Junichi Hirai

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メダルレースでトップフィニッシュを決めた山口祥世/畑山絵里。「きょうは右展開を狙って右海面へ。それが結果に結びつきました。スタートを含めてひとつ のミスが命取りになる。前に出られると、追いぬくことはできない。こういうシビアななかでレースできたことは、よい経験になりました」(山口)

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昨年は自艇を持ち込み、今年はあえてチャーター艇で挑んだ吉田/吉岡。photo by Junichi Hirai

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470女子優勝のミルズ/クラーク(GBR)。photo by Junichi Hirai

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一流ホテルでおこなわれた表彰セレモニー。ライトアップや民族舞踊など豪華絢爛セレモニーです。photo by Junichi Hirai

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民族舞踊。アラブの男子が、音楽に乗って棒や紐をくるくるまわします。photo by Junichi Hirai

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表彰台に立つ日本女子。この光景も今年3度目。何度見ても嬉しいものです。photo by Junichi Hirai

◎ISAF SAILING WORLD CUP
http://www.sailing.org/worldcup/home.php
◎バルクヘッドマガジン・デイリーフォト(FACEBOOK)
https://www.facebook.com/bulkheader

470級女子 8艇
1. GBR Hannah Mills / Saskia Clark 2-2-(3)-1-1-3-6 15.00p
2. AUT Lara Vadlau / Jolanta Ogar 1-(9)OCS-1-3-3-9DSQ-4 21.00p
3. JPN 吉田 愛/吉岡美帆 3-1-4-2-2-(5)-10 22.00p
4. JPN 山口祥世/畑山絵里 4-3-6-(8)-8-1-2 24.00p

レーザーラジアル級 20艇
1. SWE Josefin Olsson 10-2-2 -4-1-(17)-8 27.00p
2. NED Marit Bouwmeester 3-1-1-8-5-(13)-16 34.00p
3. DEN Anne-Marie Rindom (11)-7-8-3-9-3-8DPI 38.00p
15. 土居愛実 (19)-14-15-14-8-5 56.00p


OCEANS WATCHER

小川和幸

気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長

OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360

大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。

現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。

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