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初日、日本470女子好発進、吉田/吉岡が首位に。ISAFワールドカップ・アブダビ/バルクヘッドマガジン

2015.10.30

10月29日、UAEアブダビでISAFセーリングワールドカップ最終戦が開幕しました。この大会は、年間6戦用意されているワールドカップの最 終戦で、各世界ランキング上位艇(20艇)を招待しておこなわれます。開催地は、ボルボオーシャンレースの寄港地でもあるアブダビ・セーリング& ヨットクラブ(ADSYC)。運営は地元アラブ系スタッフが務めますが、主要メンバーはISAF(国際セーリング連盟)の関係者であり、ほかのワールド カップとの違いはさほどは感じられません。(BHM編集部)

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ワールドカップ初日首位に立った吉田/吉岡。軽風の青島大会で金メダルを獲得し、課題(軽風)克服が結果になってあらわれてきています。photo by Junichi Hirai

編集長がアブダビのヨットレースを取材するのははじめて。アブダビの第一印象は「暑い」の一言です。日中35度を超える猛暑でレースはおこなわれ ます。しかし、夏場の平均気温は40度を超えるというので、現地の人にとって過ごしやすい時期だと言えるかもしれません。焼けつくような日差しは、ヨット レースに向いていませんが、8月に開催される東京五輪も似たような暑さの上に、高い湿度になることを考えると、不満を口にするのもはばかられます。

レース会場は、人口島に臨時につくられたハーバーで、いくつか建てられた大きな特設テントが陸上の中心となります。ハーバー内には観光撮影用のラクダが常駐していたり、伝統工芸品を展示販売したり、中東を感じさせる趣向が凝らされています。

会場全体の規模は必要以上に大きく、巨額の費用が投じられているのが分かります。しかし、先の記事で書いたように、アブダビ最終戦は各種目20艇限定ですがフル出場を得られず、大会の規模と参加選手数を比べるとアンバランスであることは否定できません。

大会初日は、日本470級女子が好スタートを切りました。日本は470級女子とレーザーラジアル級に出場していますが、他のクラスと異なり、少数 ながらもトップ選手が揃っているのが特長です。470級女子には、世界選手権二連覇を飾ったオーストリア、ロンドン五輪で銀メダルを獲得したイギリスら実 力チームが出場しています。

吉田 愛/吉岡美帆(ベネッセ)は、第1レースで最後尾近くで上マークを回航しますが、大きなシフトを選んで3位へ浮上。第2レースでも上マークトップ回航から 2位でフィニッシュしますが、トップフィニッシュのオーストリアがリコールのため1位に。総合首位に立ちました。

また、山口祥世/畑山絵里(ノエビア)も吹き上がる風でも引けを取ることなく、安定して順位を保っています。大会初日を4-3位で総合3位につけました。

「トップの選手と走れる機会は限られています。今回は、世界トップの選手が出場しているので、戦う中でひとつでも多くのことを学べるように、そして、なんとか上位ランキングの選手に食らいついて走ることが目標です」(山口)

レーザーラジアル級の土居愛実(慶応大)は17位発進です。アブダビ戦は、予選3日、メダルレース1日というスケジュールで、他のワールドカップ よりも1日少ない日程です。レース数も少なく1レース1レースが重要になるのは言うまでもありません。大会2日目もスタート時刻を早めておこなわれます。

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出艇するビーチにラクダ。朝から夕方まで選手を見守ります。この暑さで生きるラクダの強靭さがわかりました。photo by Junichi Hirai

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ワールド二連覇のオーストリア(写真)。イギリス、今回不参加のニュージーランドが世界女子三強といえます。photo by Junichi Hirai

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王様の宮殿(パレス)を背景に走る山口/畑山。すでに東京五輪へ向けて果敢に世界に挑戦しています。9月のW杯では銅メダルを獲得しました。photo by Junichi Hirai

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暫定2位のハンナ・ミルズ/サスキア・クラーク(GBR)。photo by Junichi Hirai

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男子首位は、ワールド三連覇(マット・ベルチャーは六連覇)の王者オーストラリア。チャーター艇ではなく自艇を持ち込んで出場しています。photo by Junichi Hirai

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クルー交代後、急成長しているアメリカ男子。国際大会ではほぼシングル上位に入る成績を残しています。現在2位。photo by Junichi Hirai

 

470級女子 参加8艇
1. JPN 吉田 愛/吉岡美帆 3-1 4.00p
2. GBR Hannah Mills / Saskia Clark 2-2 4.00p
3. JPN 山口祥世/畑山絵里 4-3 7.00p

レーザーラジアル級 20艇
1. NED Marit Bouwmeester 3-1 4.00p
2. FRA Marie Bolou 2-3 5.00p
3. FIN Tuula Tenkanen 5-4 9.00p
17. JPN 土居愛実 19-14 33.00p

◎ISAF SAILING WORLD CUP
http://www.sailing.org/worldcup/home.php
◎バルクヘッドマガジン・デイリーフォト(FACEBOOK)
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バルクヘッドマガジンより

http://bulkhead.jp/category/news/


OCEANS WATCHER

小川和幸

気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長

OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360

大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。

現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。

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