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【コラム】リオの海で江の島のことを考えた/バルクヘッドマガジン

2015.08.31

バルクヘッドマガジン編集長は、ブラジル・リオデジャネイロから戻りました。今回は約二週間の取材遠征で、テストイベントだけに来年開催されるリ オ五輪の予行練習という内容でした。セーリング競技の開催されるグアナバラ湾の水質汚染問題や、マリーナ工事の遅れなどの話題もあり、1年前の現地をこの 目で見てこられたことは良かったです。(BHM編集部)

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写真はセーリング競技が開催されるグアナバラ湾。マリーナは左側の入江にあります。左端のブリッジから右側に見えるシュガーローフマウンテンまでがインサ イド(湾内)のレース海面でここに3海面、シュガーローフマウンテンの右側がアウトサイド(湾外)で3海面が用意されます。photo by Junichi hirai

水質汚染の問題は、実際のレースにほとんど影響しないことが分かったし、マリーナの建造も急ピッチで進行しています。ヨットレースとしては、水の 少々の汚れより風が吹くことが大切だし、編集長は湾内中央に高速で流れる潮流の方が、フェアな競技にならないように思えて気になりました。

メディアにはマイナス点ばかり取り上げられますが、リオならではの優れた点もあります。「世界三大美港」と呼ばれるグアナバラ湾の景観は素晴らし く、ほかにも、個性的な風が吹く6つのレース海面、豊富な数の運営ボート、広大なマリーナ敷地、セーリングに程よい気温など、リオらしいヨットレースにな ると期待しています。

日本は東京五輪を迎えるにあたり「良い部分」をぜひ参考にしたいものです。今回のテストイベントには、日本から大勢の東京オリンピック準備委員会の方々が現地へ視察に来られていたので、今後、何かしらのかたちで視察の報告を知ることになるでしょう。

願わくは、準備委員会の方々にヨットレースイベントとして成熟しているマヨルカ島のプリンセスソフィア杯や、フロリダのキーウエストレースウィー クなど、ヨットレースならではの良い雰囲気を持つ大会も参考にしていただけたら、常識的で、今の日本にはない面白い企画が出てきそうな気がします。

オリンピックは4年に1度の特別なイベントで、ヨットレースのスタンダードではありません。世界規模のイベントを見習うことは大切ですが、これから継続的に日本でヨットレースを開催していくならオリンピックは無駄な部分が多い。

編集長は、リオの海に出ながら「江の島らしいオリンピックとは、なんだろう」と考えていました。江の島というシンボルマークがあり、東西に伸びる海岸線があり、近くに古都鎌倉をはじめ観光地がある。

海は水深深く、波は高く、きっと毎日シーブリーズを待つことになるから昼からレースが開始されるのでしょう。8月は猛暑が予想され、台風シーズンでもあります。世界の水域とはまったく違う、江の島ならではのオリンピックができるのではないでしょうか。

そんなことを考えるのも楽しいですね。さあ、2016年リオ五輪、2020年東京五輪まで、みんなで盛り上げていきましょう!

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フォトギャラリーにリオ五輪テストイベントの写真を掲載しています。ぜひ御覧ください。リオではタクシー移動が常で、EASYTAXIというスマホアプリが大活躍しました。日本にもあればいいのにな。

 

バルクヘッドマガジンより

http://bulkhead.jp/category/news/


OCEANS WATCHER

小川和幸

気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長

OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360

大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。

現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。

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