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小川和幸info

マイナビ THE JAPAN CUP SUP Race in Chigasaki 2016 2日目

2016.09.11

きのうから湘南の茅ヶ崎市東海岸南(ヘッドランドビーチ西側)にて開催されている「マイナビ THE JAPAN CUP SUP Race in Chigasaki 2016」の2日目を迎えました。

きょうは南海上の前線の影響で朝からあいにくの雨模様で、最終日としては残念なスタートとなったと誰もが思っていましたが、風も北東寄りの風がかなり弱く、ほとんど無風の状態で、また、波もほとんどなくなり、レースを行うには絶好のコンディションとなり、大会参加者や関係者は、お天気とは逆に安心感が膨らむ朝となりました。

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ただし、きょうまず予定されていたサバイバーレースのブリーフィングが始まる午前9時45分ころから雨足も強くなりだし、大会の諸事情等によりスタートが多少遅れましたが、午前11時30分ころから雨も弱くなってきたので、ようやくサバイバーレースのスタートとなりました。

まずは女子からのスタート。スタートラインには7人のトップレーサーたちが並び、一斉のスタートで3つのブイを回ってゴールするという約500mのショートコースへ飛び出していきました。

このサバイバーレースとは、まずはエントリーした全員で一斉スタートして、最初にゴールした選手から3分後には次のヒートがスタートし、ヒートを繰り返していくごとに着順の遅い選手からカットされていくという、まさに体力と戦略が必要となる過酷なレースです。また、できるだけ着順を早くしておかないと次のスタートまでのインターバルがどんどんと短くなってしまうので、そのあたりを十分に考慮しないと、ヒートを繰り返すごとに苦しくなっていくというものです。

女子では、出だしのヒートから、きのうの18kmディスタンスレースで優勝し、2014年、2015年のWOMEN’Sワールドチャンピオンで、今年もワールドランキング1位となっている、ニュージーランド出身のAnnabel Anderson(Lahui Kai)がダントツのトップでフィニッシュして、最終ヒートでも危なげなくトップフィニッシュで優勝を飾っています。

また、2位には、やはりきのうの18kmディスタンスレースで2位となっている佐藤ユカ選手が入り、3位には、WAVEでもRACEでも若手の有望株として注目されている堀越優香選手が入っています。

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次に男子のレースが行われました。やはり男子ともなるとエントリー人数も多く、それだけ過酷さが増してくるレース展開となりました。

そんな中で、まず初回のヒートで飛び出したのは、昨年の18kmディスタンスレースの優勝者で、ワールドランキングも第2位となっているハワイアンのMo Freitas(FOCUS SUP HAWAII)選手で、途中からこのあとのレース展開を予想して体力温存のために流す展開となり、それに続いてきのうの18kmディスタンスレースの優勝者であるMichael Booth(STARBOARD)選手や、昨年のサバイバーレース優勝者であり日本でもお馴染みのオーストラリア出身のToby Cracknell(INFINITY)選手、そして我らがニッポンの金子ケニー(SIC)選手が続いていました。

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2回、3回とヒートを続けている中で、徐々にその人数も減っていき、そうした中でも金子ケニー選手はフレッシュな海面を狙って無駄な体力をなるべく使わないようにしていたのか、トップでフィニッシュする場面も多く見られました。

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そして、全4回のヒートを終えて、最後に残った10人の選手が最終ヒートへと進むこととなりました。その中には、もちろん金子ケニー選手や、Mo Freitas選手、Michael Booth選手、Toby Cracknell選手などの海外選手はみんな入っていて、日本のトップレーサーである村林知安選手や吉田竜平選手も入っています。

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この最終ヒートになると、その体力がどれだけ残っているか、また、この最終ヒートでは今までのように上位に入っていれば次のヒートに残れるというものではなく、もう後がないので最後の着順で最終順位が決まってしまうという、今までのような流す展開がもうできない、全力で本気のヒートとなります。ですから、どの選手もスタートから最後まで気が抜けない本当の勝負のヒートということになります。

やはり、ここまでくると、体力ももちろんですが、ここまでのレース展開を予想していたのか、こうしたレースの経験を生かして、海外選手がスタートから飛び出し、フィニッシュまで後ろの選手を抜かさない展開となりました。

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最終的には、ここまで絶好調だったMo Freitas選手がトップでフィニッシュして優勝し、James Casey選手とMichael Booth選手がそれに続きました。金子ケニー選手はきょうのサバイバーレースでは惜しくも6位となってしまいましたが、きのうの18kmディスタンスレースで見事に3位で終えているので、総合では3位という好成績で終えています。

 

サバイバーレースの次にはオープンレースとして3kmレースが行われ、ここにはまだSUPを初めて間もない選手も多く参加していましたが、そんな中で若干13歳の小松山 勁選手がレースボードクラスでは優勝して、同じく若干12歳の田口らい選手がインフレータブルクラスで優勝し、総合でも2位という驚異的な成績を出しています。こうした若い選手が次々と出てきているこのSUP業界の未来は、明るい光を見せてくれています。

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3kmレースの女子のレースボードクラスでは、照山幸子選手が優勝し、インフレータブルクラスでは、相原美咲選手が優勝しています。また、サーフボードクラスでは、男子が西信司選手が、そして女子では岡田サリー選手がそれぞれ優勝しています。

 

レース結果等詳しくは以下をご覧ください。

http://www.supu.co.jp/race/result11.php

 

今回のマイナビ THE JAPAN CUP SUP Race in Chigasaki 2016では、初日はお天気にも恵まれ、2日目はあいにくの曇りや雨となってしまいましたが、2日間ともに風も波もおだやかで、レースをするにはとても良いコンディションの中で行うことができていたと思います。

また、参加した選手の皆さんは、すでにニュース等でご存知との方も多いかとは思いますが、ゼッケンの問題により、皮膚などに大きな被害を遭われた選手も少なくなく、せっかくのレースや休日が台無しとなってしまった選手も多かったとは思いますが、1日も早く回復することを心より願っています。また、大会事務局側では誠意ある対応をされていると思います。

今後のことはまだわかりませんが、2日目も何とか無事終了することができ、日ごろの成果を出すべく、それ以上にこうした大きな大会で、同じ目的を持った仲間たちととても充実した時間を共有することができ、満足して家路についた選手も多かったと思います。

自分もそうした選手や関係者の皆さまの幸せそうな笑顔だけではなく、悔しい思いをした選手たちもいたと思いますが、それぞれに良い思い出ができたと思いますし、そうした皆様の笑顔に感動させていただきました。

来年もぜひ今年以上に素晴らしい大会となりますように、心から願っています。

大会関係者の皆さま、そして選手の皆さま、本当にお疲れ様でした。そして、この大会を取材させていただいたことに心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

文・写真:OCEANS MAGAZINE


OCEANS WATCHER

小川和幸

気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長

OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360

大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。

現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。

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