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小川和幸info

MOTH CLASS 全日本選手権大会 2016

2016.05.22

きのうから葉山沖にて、ヤンマー国際モス級世界選手権大会2016の前哨戦として、モスクラスの全日本選手権大会が開催されています。

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モスとは、海上のF1と呼ばれているヨットのことで、セイルは1枚で1人乗りですが、その速さは目を見張るものがあり、同じヨット乗りでもその速さに圧倒されるほどで、その名のとおりモスのように海上をカッ飛ぶヨットです。

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セイルはウインドサーフィンのレースセイルに似ていて、マストを通すところにはカムがついていて、そのカムにより、よりスピードを増しているようです。

セイルメーカーはウインドサーファーには懐かしく思う方も少なくないと思いますが、KAセイルが多かったです。

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人が乗る船にはウイングと呼ばれるものが船体についていて、そこに人が乗って、完全に船から体を外に出す形で乗っていきます。

また、最大の特徴は、今やヨット界では革命をもたらしているフォイルがついていて、センターボードと、舵を取るラダーの一番下側にそれぞれフォイルがついています。

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このフォイルにより、スピードが少しでも増すと船体が海から吹きあがり、海上を飛んでいるかのごとく、水面の上をカッ飛ぶのです。関係者の方に聞いたら、風速6ノット(約3m/s程度)で浮き上がれるそうです。

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スピードが増してもセンターボードとラダーの部分しか海には接していないので、音はほぼ無く、静寂の中でスピードを上げてまさに飛んでいる感じです。

ただし、それだけバランスも難しく、簡単に乗っているように見えましたが、おそらくまっすぐ走るだけでもかなり大変な気がしてなりませんでした。

また、タックやジャイブもなんなくやっていましたが、あの飛んだ状態でどうやったらできるのか、イメージがちっとも浮かばず、のりこなすまでになるには、相当な時間と労力、そして体力と精神力が必要な、まさに過酷な世界だとも思われます。

でも、それだけにスピードに乗せた状態で飛べた日には、おそらく言葉では表せないほどの快感があるのでしょう。

 

このフォイルは、今や歴史ある世界最大レースであるアメリカズカップをはじめ、そのほかのヨットにも採用されはじめていて、まさにスピードの世界に突入してきています。

また、ヨットに限らず、最近ではウインドサーフィンやSUPにも取り入れられ、その革命はさらに世界が広がりつつあります。

そうした代表格であるこのモスクラスの全日本選手権大会がきのうときょうの2日間で開催されています。

また、全日本選手権大会がきょう終わると、あすからは、モスクラスのヤンマーモスワールド2016も来週末にかけて開催され、葉山ではこれからさらに盛り上がっていこうとしています。

 

全日本選手権大会2日目のきょうは、朝から快晴で雲もなく、気温も上がって夏のような陽気の中で行われました。

レースが行われる葉山沖の風は、北~北東寄りの風が10~12ノット程度から始まり、ピークでは18ノットまで上がっていました。

風が強くなるとそのスピードも増し、迫力が倍増していきます。

あすからのヤンマーモスワールド2016に参加する海外選手たちも一緒にレースには参加して、日本勢に良い意味でプレッシャーは与えていました。

レースは上下マークを2周するコースで行われますが、スピードが速いので、展開も速く、きょうは全4レースが行われました。

上位を占めたのはやはり海外勢ですが、日本の選手たちも果敢に攻めて、上位へ食い込む有力選手もいました。

成績詳細は公式HPへ!

http://www.mothworlds.org/hayama/

あすからはいよいよワールドが行われます。

日本の選手たちがどこまで海外選手たちに立ち向かえるか、非常に楽しみになってきました。

観覧艇も出ますので、お時間のある方はぜひ観にきてみてください!

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文・写真:OCEANS MAGAZINE


OCEANS WATCHER

小川和幸

気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長

OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360

大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。

現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。

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