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小川和幸info

FREESTYLE FESTA ZUSHI 2016 2日目は爆風の中で!

2016.04.17

きのうから神奈川県逗子海岸にて開催されているウインドサーフィンのフリースタイル大会である「FREESTYLE FESTA ZUSHI 2016」はきょう最終日を迎えました。

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きのうと打って変わって朝から南西寄りの風が強く吹き続け、朝の時点では10~15m/s程度で、フリースタイルのプレーニングクラスをやるには十分な風でのスタートとなりました。

まずはスペシャルクラスからのスタート。

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はじめは、選手たちは日頃の成果を出すべく、いろいろなトリックに挑戦し、強い風の中で最大限の自分たちの力を出していました。

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ただし、徐々に風が強くなると同時に雨も降りだし、雨は強くはないものの、風が強くて走っていても雨が目に入って前が見えづらく、徐々にハードなコンディションとなっていきました。

また、波も出てきて、アクションどころか普通にプレーニングするだけでもままならない状況となりつつありました。

でも、そんな中でも、スペシャルクラスに続き、オープンクラスA、オープンクラスB、そしてウイメンズクラスもファイナルまで何とか消化することができました。

昼をすぎるとさらに風は上がり、雨は上がって雲は切れて青空も見え始めていましたが、あとはプロクラスのみを残す段階で、25m/s以上吹いてきて、たまのブローは30m/sを超えるほどの超爆風が吹いてきてしまったために、これは危険と判断され、一時中断しました。

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風のピーク時にはビーチを歩くのも困難な状況で、運営テントなども飛ばされる危険もあったため、選手とスタッフ全員で力を合わせてテントやバナーなどをたたみ、爆風に備えました。

午後2時を過ぎたころ、多少風が落ち着いてきたこともあり、プロクラスに出場するプロ選手たちが運営本部に集合して、ヒートをスタートするかどうか、みんなの意思を確認しつつ、午後3時ころにスタートすることを選手、運営スタッフ全員で確認しました。

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選手たちの顔には不安どころか笑顔が見えて、これから始まる自分たちのヒートに向けて、楽しみながらも一層気合いの入った表情を誰もがしていて、その姿はこれから戦いに向かう日本の大和魂を心に秘めた武士たちのようでした。

いよいよプロクラスがスタートすると、さすがはプロ選手たちです。

それまでアマチュア選手たちをてこずらせていた爆風とサイズアップしつつも風につぶされたまとまりのない胸~肩サイズの波をうまく使い、自分たちの出せる全ての力を振り絞って果敢にアクションにチャレンジしていました。

落ち着いたと言っても20m/sオーバーはまだ普通に吹いている中で、どの選手もこのハードなコンディションの中で自分たちのパフォーマンスをしていた姿を見て、どの選手にも勝ってほしいという想いがギャラリーのみんなの心の中にはあったと思います。

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そんな中、ファイナルまで進んだのは、昨年同様、ここ逗子を地元とする小林悠馬プロと山本卓史プロの2名です。

二人ともたまに吹く25m/s以上のブローとデカイ波の中で戦ってきたことで、すでに腕はパンパンに張り、体の疲労もいつもの数倍はあったと思います。

あとで聞いたら、セミファイナルの時点ですでにかなりの疲れがあり、体力をかなり消耗していたと言っていました。

でも、ファイナルでは、二人ともそんな様子は一切見せず、きょうの中で最高のパフォーマンスをするだけの気合いと気迫が感じられました。

小林選手は、海外でトレーニングを積んできた成果を出すべく、疲れを感じさせない絶好調な技を次から次へと披露し、失敗すると派手なスプレーを出しながら海の中へ叩きつけられるので、どれだけハードな状況だということがよくわかりましたが、それでも、果敢にチャンレジし、さすがは小林プロ。アクションする場所を見逃さず、完璧にメイクする技を繰り返し、会場のギャラリーの心を完全にひきつけていました。

山本選手も、地元の強みを生かして、小林選手に負けじと技にチャレンジして、これでもう腕がちぎれても良い、と言わんばかりの派手な転び方を何回もしつつも、力強く起き上がり、最後まであきらめない姿勢に心を打たれました。

ファイナルヒートが終了すると、最後まであきらめずに自分たちのパフォーマンスをしていた二人には大きな拍手がギャラリーから贈られていました。

大会としては、超爆風の中でプロクラスを制したのは、やはり世界で活躍する小林悠馬プロでした。でも山本プロも準優勝として、拍手を送りたいです。また、この逗子での大会の発起人としても、これからもさらに頑張ってほしいと思います。逗子を代表する二人がウインドサーフィンのフリースタイル界を引っ張っていくことが証明された瞬間でした。

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今回の大会は、歴史に残るような爆風の中で行われ、それでも果敢にチャレンジできる選手たちのレベルが上がってきていることを実感しました。

また、中学生や高校生などの選手も増えてきて、ベテラン組との戦いも興味深く、地元逗子や御前崎などをはじめ、全国ではこうした若い世代たちがウインドサーフィンを盛り上げていってくれる期待があります。また、それも今までのプロ選手たちが親切丁寧に後輩たちを指導し、また、良いお手本として身近にいることによる証しだと思います。

今年はまだシーズンに入ったばかりなので、これからもいろいろなところでイベントや大会が開かれると思いますが、今回の逗子の大会のように、もっともっと地元とうまく手を組みながら、若手からベテランまで一体となってウインドサーフィンを盛り上げていければと思います。

選手の皆様はもちろん、ギャラリーの皆様、大会運営スタッフの皆様、大会関係者の皆様、大会を陰で盛り上げていただいた方々、本当にお疲れ様でした。

また来年もさらに盛り上がるよう願っています。

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U-18 レディースクラス

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U-18 メンズクラス

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ノンプレーニング・ビギナークラス

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ノンプレーニング・オープンクラス

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ノンプレーニング・スペシャルクラス

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ノンプレーニング・ウイメンズクラス

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オープンクラスA

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オープンクラスB

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スペシャルクラス

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プロクラス

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本日の大会の様子は、J-COM湘南でも見れるようです。

デイリーニュースで、(19日(火))午後6時30分から番組の中で数分間放送されます。

 

以下、本日の動画です。(潮がレンズについて見えづらいことをご了承ください)

https://www.youtube.com/watch?v=-Ygu6CFbTdM&feature=youtu.be

文・写真:OCEANS MAGAZINE

 

 


OCEANS WATCHER

小川和幸

気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長

OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360

大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。

現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。

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