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小川和幸info

TOYOTA JAPAN CUP 2016最終日

2016.01.17

沖縄県八重山郡竹富町小浜島リゾナーレ小浜島にて、JWA JAPAN TOUR 2015-16 SLALOM 第4戦の『TOYOTA JAPAN CUP 2016』が開催されていましたが、いよいよきょうが最終日となりました。

きょう最終日の朝は、西から近づく低気圧の影響で、朝から南寄りの風が強く、朝の時点でおそらく20ノット/h以上は吹いていて、雨も時折強く、ハードなコンディションでのスタートが予想されていました。

ただし、その分気温も上がり、いくらか暖かい朝を迎えていました。

大会会場では、すでに強い南寄りの風の中でレース前の最終調整をする選手たちがいましたが、その後も風は徐々に強まっていました。

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でも、こうしたハードな中でも大会運営スタッフは迅速に対応して、海上ではマークをセットして、さあプロクラスの第3レースのスタートを待つばかりとなったところで、猛烈なブローと豪雨により視界も悪くなり、危険なコンディションが予想されたので、午前9時にはスタート予定でしたが、スタートを遅らせてのウェイティング状態となりました。

その後も強い風と雨で悪天候となっていましたが、午前10時ころを過ぎると徐々に雨脚も弱まり、風も多少弱まって視界も良くなってきたので、午前10時30分ころにプロクラスのメンズ、ウインメンズともに第3レースのスタートを正式に決定しました。

きょうは、昨日の2レースをいずれもトップフィニッシュで終えている浅野選手を、誰がどこまでプレッシャーを賭けて、浅野選手よりも前を走り、トップを奪えるかが大きな見ものとなっていました。

まず第1ヒートでは、ギリギリのスタートで攻めている鈴木選手がダントツのトップフィニッシュ。

そして第2ヒートでも、危なげない走りで山田選手がトップフィニッシュ。

第3ヒートでは、きょうも誰よりも早く海上に出て最終調整をしてした小玉選手がトップフィニッシュ。

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そして第4ヒートでは、風向きが南から南西寄りに変わり、マークの位置をずらしてからのスタートとなりましたが、きのうから常にトップを走り続けている浅野選手が当然のようにトップフィニッシュ。

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セミファイナルでは、やはりスタートをギリギリのところまで攻めている鈴木選手がトップでフィニッシュ。

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そして、もう一つのセミファイナルでは、やはり浅野選手がトップフィニッシュ。

ただし、ここにはドラマがありました。

セミファイナルでも、今までと同じようにダントツのトップフィニッシュを見せるだろうと思われていた浅野選手が、第1マークを回航する際にはまさかの5位。

おそらくスタートを失敗したのかもしれません。

でも、第3マークを回るころにはトップスピードにギアチェンジをして前の4人を見事に抜き去ってトップに躍り出て、そのまま最後まで走り続け、トップフィニッシュを飾り、その走りの速さを誰もが疑っていました。

そしていよいよ第3レースのファイナル。

スタートは、セミファイナルのスタートを修正したのか、浅野選手がすでにトップに出て第1マークを回航し、それを山田選手が、そしてその後ろを鈴木選手、合志選手が追っていました。

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でも、浅野選手のスピードはさらに高速ギアチェンジしてスピードに乗り、誰も追いつくことができず、そのままトップでフィニッシュラインを切っていました。

2位でフィニッシュしたのは山田選手、そして3位でフィニッシュしたのは国枝選手でした。

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その後、浅野選手に続いて何名かがフィニッシュした直後に急に風が北寄りに変わったかと思ったら急激に風が落ちて、北側の空には怪しい真っ黒な雲が立ち込めていました。

その影響でフィニッシュできなかった選手もいました。

今大会において、まず、プロクラスで総合優勝を飾ったのは、すべてのレースにおいてトップフィニッシュを飾っている浅野選手。

圧巻とした言いようがありません。

続いて総合2位を獲得したのは、浅野選手に続いて2位を獲得し続けた山田選手、そして、総合3位は、きのう絶好調の走りを見せた中井選手。

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ウイメンズでは、総合優勝は、常に3位以内を捕り続けた須長選手が獲得。そして、総合2位には、須長選手と同率で3位以内を捕り続けた鈴木選手、総合3位は、きょう最後まであきらめずに走り、最後の最後でトップフィニッシュをもぎ取った大西選手が捕りました。

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オープンクラスの総合優勝は、メンズでは若手の穴見知則選手で、総合2位では中嶋基選手、総合3位は長谷川選手でした。

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オープンクラスのウイメンズでは、小峰恵美選手が総合優勝を飾っています。

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今回の大会では、大会前日までここ小浜の本来の冬の風が吹き続けていたにも関わらず、大会初日には風が落ちてまさかのノーレースとなり、大会2日目は多少風が弱かったもののプロクラスのメンズ、ウイメンズともに2レースを消化し、オープンクラスもメンズ、ウインメンズをともに2レースを消化でき、大会最終日となったきょうは、低気圧の通過に伴ってそれまでは全く変わって南寄りの爆風と大雨から始まり、一時は40ノット/h近い風まで吹いて、その後は青空と太陽が顔を出したかと思えば、徐々に西寄りに変わり、最後には冷たいいつもの北寄りの風に変わり、まさに波乱万丈な状況下でのレース展開となっていました。

でも、誰ひとり事故や怪我もなく、安全に終えることができ、これも地元の方々の協力なくして得られなかった結果だと思われます。

また、こうした素晴らしい大会を終えることができたのも、トヨタ自動車様をはじめとした多くのスポンサーの方々、そして地元の小浜島や石垣島の方々のおかげだと思います。

本当にありがとうございました。

そして、悪天候の中でも果敢に攻め続け、常に与えられた状況下で自身の本来の力を発揮できるよう、常に攻め続けた選手の皆様をはじめ、常に選手たちが全力を尽くせるように万全の準備を最後まで怠らなかった大会運営スタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。

来年もさらに素晴らしい大会が開かれることを願っています。

 

文・写真:OCEANS MAGAZINEA(編集長 小川予報士)


OCEANS WATCHER

小川和幸

気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長

OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360

大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。

現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。

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