小川和幸info
49er牧野・高橋、470吉田・吉岡、ワールドカップ・メダルレース進出!/バルクヘッドマガジン
2015.04.26
4月25日、イエールISAFワールドカップ4日目。オープニングシリーズ最終日は、朝から降り続く雨の中を出艇しました。470級男子はメダルレース 進出ならず。女子の吉田 愛/吉岡美帆が8位で、また、49er級の牧野幸雄/高橋賢次が10位でメダルレース進出を決めました。(BHM編集部)
オープニングシリーズ全12レースを終え、49er級の牧野/高橋がメダルレース進出を決めました。photo by Junichi Hirai
前日15位だった49er級の牧野/高橋は、25-3-14位の成績で10位に浮上。強豪ひしめく49er級は、これまでワールドカップや世界選 手権などでゴールドフリートは25艇に限定された戦いでした。上位40艇の戦いはイエールが初じめてとなり、トップを独走するニュージーランド以外は成績 が安定しません。そのなかで、軽風を中心にシングル成績を決めた牧野/高橋は、ライバル艇が沈むのと逆に浮上しました。
「過去の自分たちの成績と上位選手の成績を徹底的に比較して、自分たちには強風で成績を落としているのが明確になりました。逆に軽風なら上位選手と 変わりない。昨年のサンタンデール(世界選手権)から体重を増やし、強風対策を進めています。今回は軽風、といっても49er級はそこそこ吹きていました が、強風の2日目をなんとか落とさなかったのが良かった。明日は吹く予報ですが、がんばります」(牧野幸雄)
日本49erがワールドカップのメダルレースに出るのは、一昨年のマイアミ大会以来のこと。ただし、選手層は当時のマイアミとは格段に差があり、 本大会でメダルレースに出ることは重要な価値があります。49er級は他の選手の成績を見ても安定させるのがむずかしく、牧野/高橋はトップの下のグルー プでもまれています。彼らにとって、ひとつ上のステージにあがることを期待させるメダルレース進出となりました。
軽風から中風でおこなわれた470級男子は、途中上位で回航するシーンがあるものも、最終的に順位を下げる展開となりました。この結果からもワー ルドカップが非常にシビアな戦いであることがうかがわれます。松永/吉田は本日19-22位で総合15位、土居/今村は12-28位で総合17位で大会を 終えました。
「リズムが悪かった。プランを考えてスタートのポジショニングを決めるべきなのに、風の傾向をつかめないままスタートしても、タックできなくなり行 きたい海面にいけない。こうだろう、ああなるだろう、という経験が邪魔をしているのかもしれません。こうしたことをリセットして、風に対してコースを取 る、という基本を見直したい」(吉田雄悟)
「パルマ(プリンセスソフィア杯)で6位、スプリングカップで8位、今回は順位を下げましたが、去年の今と比べると確実に成長しています。いまでき る自分たちのセーリングだったと思います。必要なのは細かい部分で、フリートの流れに合わせきれない部分がありました。もう一段階上のステージにあがりた い。シリーズの立ち上がりがいつもよくないので、この辺も改善していきます」(今村公彦)
さあ、ワールドカップ最終日のメダルレースには、49er級の牧野/高橋、470級女子の吉田/吉岡が出場します。メダルレースはISAFによるYOUTUBEライブ中継がおこなわれるとのこと。おたのしみに!
◎ISAF YouTube Channel
https://www.youtube.com/isafchannel/
◎ISAF SAILING WORLD CUP Hyeres
http://swc.ffvoile.fr/
首位のブラジルについで2番手で回航した吉田/吉岡。昨年のイエールではメダルレースに出られませんでした。彼女たちも成長しています。photo by Junichi Hirai
ISAFセーリングワールドカップ・イエール大会・4日目成績
470級男子
1. CRO Sime Fantela / Igor Marenic 26.00p
2. GBR Luke Patience / Elliot Willis 51.00p
3. AUS Mathew Belcher / William Ryan 53.00p
15. 松永鉄也/吉田雄悟 106.00p
17. 土居一斗/今村公彦 109.00p
470級女子
1. BRA Fernanda Oliveira / Ana Luiza Barbachan 41.00p
2. GBR Hannah Mills / Saskia Clark 43.00p
3. FRA Camille Lecointre / Helene Defrance 46.00p
4. NZL Jo Aleh / Polly Powrie 47.00p
5. USA Anne Haeger / Briana Provancha 54.00p
6. GER Annika Bochmann / Marlene Steinherr 69.00p
7. POL Agnieszka Skrzypulec / Irmina Mrozek Gliszczynska 71.00p
8. 吉田 愛/吉岡美帆 74.00p
9. SUI Linda Fahrni / Maja Siegenthaler 83.00p
10. CHN Huimin Feng / Lizhu Huang 108.00p
39. 山口祥世/畑山絵里 209.00p
49er級
1. NZL Peter Burling / Blair Tuke 47.00p
2. AUS Nathan Outteridge / Iain Jensen 92.00p
3. AUS David Gilmour / Rhys Mara 132.00p
4. GER Erik Heil / Thomas Ploessel 140.00p
5. GBR John Pink / Stuart Bithell 152.00p
6. GER Justus Schmidt / Max Boehme 152.00p
7. GBR Dylan Fletcher-Scott / Alain Sign 152.00p
8. GBR James Peters / Fynn Sterritt 154.00p
9. POR JORGE LIMA / Jose Costa 170.00p
10. 牧野幸雄/高橋賢次 175.00p
レーザーラジアル級
1. BEL Evi Van Acker 25.00p
2. LTU Gintare Volungeviciute Scheidt 38.00p
3. DEN Anne-Marie Rindom 44.00p
23. 土居愛実 144.00p
RS:X級男子
1. FRA Pierre Le Coq 60.00p
2. GRE Byron Kokkalanis 75.00p
3. POL Piotr Myszka 77.00p
19. 富澤 慎 188.00
RS:X級女子
1. NED Lilian De Geus 88.00p
2. FRA Charline Picon 97.00p
3. BRA Patricia Freitas 98.00p
31. 須長由季 283.00p
バルクヘッドマガジンより
最新記事
OCEANS WATCHER
小川和幸
気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長
OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360
大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。
現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。