小川和幸info
矢野/藤木に日本代表決定!レッドブル・フォイリング・ジェネレイション/バルクヘッドマガジン
2015.04.21
4月19日、レッドブル・フォイリングジェネレーション最終日。レースの準備をするファイナリストたちは朝から緊張の面持ちです。それもそのはず。この レースに勝った選手は、世界初の優勝タイトルを獲得するばかりか、2016年に開催されるワールドファイナルへ出場する権利が与えられます。レース最終日 の決勝は、深沢瑛里/高山大智と矢野伸一郎/藤木一誓の一騎打ちとなりました。(BHM編集部)
3位決定戦に続いておこなわれた決勝は、多くの観覧艇が見守る中をスタートしました。南風4メートル程度ですが、フォイリングには十分な風が吹い ています。このレースのポイントは、無風スポットを避けてブローラインに乗り続けること。岸寄りに設定されたレースコースは風の強弱があり、ブローに入っ てボートスピードをキープし続けることが重要になります。
スタートで先行した深沢/高山は、矢野/藤木をルーズタックでカバーしながらその差を広げます。さらに矢野/藤木がアップウインドで無風スポットに入ってしまい一気にスローダウン。深沢/高山が猛烈なフォイリングで先行しますが…。
ハーフレグほど差をつけて上マークを回航した深沢/高山ですが、ラウンディング中、マークのアンカーラインにフォイルを絡ませてしまいます。いきなりボートはストップして身動きが取れません。
走りだした矢野/藤木は一気に追い抜き、さらに風をつかんでダウンウインド・フォイリング。1レグ近く差を広げて先行しました。その後の深沢/高 山は走り出しますが、時すでに遅し。矢野/藤木がフィニッシュラインを切り、フォイリング・ジェネレーション優勝を決めました。
「決勝ではうまくスタートできず、差を広げられてしまいました。でも、相手がミスしたこともあり、途中で先行してから余裕あるレース展開になりまし た。相手と接近戦で戦いたかったけれど、優勝できてうれしい。来年のワールドファイナルでは優勝を目指します!」(矢野伸一郎)
「決勝で勝って世界大会にいけるのはうれしい。ただ、この船に乗って自分の筋力が足りないのがわかりました。フライングファントムは日本にないので、ナクラや49erでトレーニングします」(藤木一誓)
フォイリングジェネレーション日本代表は、矢野/藤木に決定です。OP級でヨットをはじめ、昨年の長崎国体・少年男子シーホッパーSRで優勝した 矢野は抜群のセーリングセンスを持つ同世代の中心選手のひとり。小学6年からOP級に乗り始めた藤木も和歌山ジュニア出身で、普段からふたりでチームを組 んで49er級の練習をしているとのこと。今年は江の島オリンピックウィークに49er級で出場したいと話していました。
表彰セレモニーが終わり、世界初開催となるレッドブル・フォイリングジェネレーションは、さわやかに幕を閉じました。このイベントは下記7カ国で 開催され、矢野/藤木は、来年開催されるワールドファイナルに出場し、各国のチャンピオンと戦うことになります。矢野選手、藤木選手、おめでとう!
レッドブル・フォイリング・ジェネレーション 日本大会成績 参加19チーム
1. 矢野伸一郎/藤木一誓(和歌山工高/向陽高)
2. 深沢瑛里/高山大智(早稲田大/星林高)
3. 高橋 稜/小泉維吹(Kristin School/早稲田大)
4. 中村俊平/宮口悠太(JYMA 名古屋大/中央大)
レッドブル・フォイリング・ジェネレーション2015日程
4月17〜19日 日本・和歌山
6月26〜28日 ウエイマス・イギリス
7月10〜12日 マルチェージネ・イタリア
8月7〜9日 マルメ・スウェーデン
9月4〜6日 オーフス・デンマーク
9月25〜27日 サンクトペテルブルク・ロシア
10月19〜21日 フランス
情報提供:バルクヘッドマガジン
http://bulkhead.jp/category/news/
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OCEANS WATCHER
小川和幸
気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長
OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360
大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。
現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。