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小川和幸info

ニッポンチームやりました!/バルクヘッドマガジン

2015.09.21

9月20日、中国青島・ISAFセーリングワールドカップ最終日はメダルレースがおこなわれました。470級女子で吉田 愛/吉岡美帆(ベネッセ)が金メダル、山口祥世/畑山絵里(ノエビア)が銀メダルを獲得。日本470女子が金銀を獲得する快挙を成し遂げました。(BHM 編集部)

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初日1位からトップを保守。金メダルを獲得した吉田 愛/吉岡美帆。1月のワールドカップマイアミ大会(3位)以来のメダル獲得です。photo by Junichi Hirai

青島の風は最終日も微軽風です。470級女子は、オンデッキの風でスタートしました。2位の中国に2ポイントリードで逃げ切りを狙う吉田/吉岡 は、スタートラインに流れていた弱いパフをつかんで前に出ます。フリートリードしながら上マークを回航し、暫定2位の中国が崩しているのを見て、もう一方 のライバルになる暫定3位の中国をカバー。

その後も得点を意識してカバーをはずさずに落ち着いた走りを見せる吉田/吉岡は、最終のダウンウインドで中国を左海面に追い込み、ブローに乗って逆転に成功。ベテランらしい堅実なセオリー通りの走りを見せ、金メダルを獲得しました。

「今回は優勝を意識するのではなく、1レース1レースをしっかり走ることを目標にしていました。この大会に出場した目的は、苦手風域(微軽風)の克 服です。特に中国は軽風が速いので、よい練習になりました。この風で優勝できたことはチームの成果で自信につながりました。次のワールドカップでも表彰台 にあがれるようにがんばります」(吉田 愛)

「わたしたちの苦手な軽風でしたが、いつもよりも落ち着いてまわりを見られました。軽風のフリーが苦手でしたが、今回は抜ける場面が多くあり、少し自信にもなりました。わたしは初めての金メダル。うれしいです」(吉岡美帆)

また、4位でメダルレースに出場した山口祥世/畑山絵里は、最終ダウンウインドで3位の中国を抜き去り、さらに2位の中国が下位で低迷したために 総合2位にジャンプアップ。フィニッシュ後、「やったー!」と声がでるよろこびで、ワールドカップではじめての銀メダルを獲得しました。

「下マーク手前で最後の最後にパフが入ってそれで前に出ることができました。「ここを耐えれば行ける!」とふたりで話しながら集中して走らせました。初めて表彰台にあがれて、とてもうれしいです。次につなげるいい結果になりました」(山口祥世)

「最後のランニングは、緊張してトリムする手が震えていました。(レガッタを振り返って)初日にリコールしてから尻上がりの成績でした。でも、チームのコンディショはよかったし、自分たちの走りができたと思います」(畑山絵里)

日本470女子2チームが、ISAFセーリングワールドカップでメダル獲得するのは初めてのことです。いまや470級の世界では日本と同等以上、軽風域では世界でトップレベルにある中国に競り勝ったことは、彼女たちの自信につながったことでしょう。

次回のワールドカップは10月後半に開幕するアブダビ(UAE)最終戦です。この大会は各種目20艇だけが出場できる年間シリーズの決勝戦。この大舞台でも日本が表彰台にあがることを楽しみにしたいと思います。

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風弱く静かに始まったメダルレース。スタートと同時のダブルタックで一段階風上のレーンでパフを捉えた吉田/吉岡がリードしました。photo by Junichi Hirai

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本シリーズでは吉田/吉岡の相手艇と風を意識したポジショニングのうまさが際立ちました。photo by Junichi Hirai

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2上マークを4位回航、最終レグまでに2艇抜いて2着でフィニッシュする山口祥世/畑山絵里。フィニッシュ直前、思わず笑みがこぼれまいた。photo by Junichi Hirai

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表彰台に立つ日本2チーム。ワールドカップ青島大会で用意された賞金は、1位9000ユーロ(約120万円)、2位4000ユーロ(約54万円)、3位2000ユーロ(約270万円)。photo by Junichi Hirai

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暫定3位でメダルレースに進んだ土居愛実は9位フィニッシュ。惜しくもメダル獲得を逃しました。photo by Junichi Hirai

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470級男子の岡田圭樹/吉田雄悟はメダルレースで改心のトップフィニッシュで総合4位に。「レベルが高く、これなら大丈夫、という日本で走らせてる感覚 が通用しなかった。一度のミスが命取りになる。とても勉強になりました」(岡田)。「(岡田と乗って)行動のタイミングをもっと繊細にしないといけない。 「ここでジャイブ」というポイントは早くても遅くてもダメ。そのタイミングの範囲は、世界に出れば狭く短くシビアになっていくのだから」(吉田雄悟)。 photo by Junichi Hirai

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ナクラ17級はシンガポールが勝利。リオ五輪の出場国枠を獲得しました。photo by Junichi Hirai

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中国9艇vsイラン1艇のフィン級の戦いは中国が勝ち、五輪出場国枠を獲得しました。また、470級男子は中国、女子はシンガポールが五輪出場を決めました。photo by Junichi Hirai

ISAFセーリングワールドカップ青島大会 最終成績
ナクラ17級 参加10艇
1. SIN Justin Liu / Denise Lim 16.00p
2. CHN Zijin Wen / Rubei Yuan 34.00p
3. HKG Tat Choi Fung / Yu Ting Chan 45.00p
4. THA Damrongsak Vongtim / Nichapa Waiwai 59.00p
5. JPN 後藤浩紀/田畑和歌子 67.00p

470級男子 参加26艇
1. CHN Hao Lan / Chao Wang 35.00p
2. AUT David Bargehr / Lukas Mahr 36.00p
3. ESP Onan Barreiros / Juan Curbelo Cabrera 38.00p
4. JPN 岡田圭樹/吉田雄悟 50.00p

470級女子 参加16艇
1. JPN 吉田 愛/吉岡美帆 22.00p
2. JPN 山口祥世/畑山絵里 31.00p
3. CHN Shasha Chen / Haiyan Gao 35.00p

レーザーラジアル級 参加28艇
1. CHN Dongshuang Zhang 25.00p
2. CAN Isabella-Anna Bertold 42.00p
3. CHN Min Gu 45.00p
4. 土居愛実 48.00p
15. JPN 蛭田香名子 93.00p

レーザー級 参加37艇
1. GBR Lorenzo Chiavarini 48.00p
2. CRO Tonci Stipanovic 67.00p
3. CYP Pavlos Kontides 75.00p
31. JPN 安田真之助 160.00p

◎ISAF SAILING WORLD CUP(成績、ニュース等)
http://www.sailing.org/worldcup/home.php

バルクヘッドマガジンより

http://bulkhead.jp/category/news/


OCEANS WATCHER

小川和幸

気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長

OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360

大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。

現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。

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