小川和幸info
TOYOTA JAPAN CUP 2016 2日目
2016.01.16
小浜島にあるリゾナーレ小浜島にてJWA JAPAN TOUR 2015-16 SLALOM 第4戦の『TOYOTA JAPAN CUP 2016』がきのうから開催され、きょうは2日目を迎えています。
きょうは朝から雲が多かったものの、ときおり雲の切れ目から青空が見えることもあり、きのうに比べていくらか気温も上がっていました。
ただし、きのうまでと変わり、風が吹き続けた影響で体感気温は低く感じることもありました。
風は、高気圧からの吹き出しによる北東寄りの風が吹き続け、コンスタントに12~14ノット/h(6~7m/s)の風で、レースを行うことができました。
午前9時にはオープンクラスを含めた総合開会式が行われ、まずはプロクラスからのスタート。
プロクラスとすると、マークによっては弱めの場所もありましたが、何とか順調にレースを進めることができ、まずは第1レースをファイナルまで行うことができました。
まず、第1レースを制したのは、やはり不動の王者である浅野則夫選手。ただし、セミファイナルでは好スタートを切った国枝信哉選手が浅野選手の前を走ってトップフィニッシュし、そしてファイナルでは2位となった中井忠則選手や、3位となった山田昭彦選手が浅野選手のすぐ後ろを走り、常にプレッシャーを与えたレース展開となっていました。
ちなみにほとんどスタートで決まってしまうほどのシビアな中で、ギリギリのところまで攻め続け、誰よりもトップスピードでスタートを切りつつも、惜しくもリコールを取られてしまった鈴木智彦選手でしたが、その勇敢な走りに感動した場面もありました。
続いてさらに風が多少強まった中で、プロクラス第2レースがスタート。
第1レースでリコールを取られてしまった鈴木選手でしたが、第1ヒートでは好スタートを切ってそのままトップフィニッシュをして、ファイナルでも3位でフィニッシュ。
また、山田選手も第1レースに続いてファイナルでは安定した走りを見せて2位でフィニッシュ。
そして、この第2レースを制したのは、やはり風が強まれば強まるほど誰よりも高速ギアチェンジが入り、スピードに乗ってくる浅野選手でした。
浅野選手は、誰よりも風を読み、うまくそうした風を利用して常にトップスピードで走り続け、全レースをトップで終えています。
きょうはこの2レースでプロクラスは終えていますが、今のところ、総合トップとなっているのはどちらも制している浅野選手ですが、それに続いて総合2位につけているのは第1レースを3位、第2レースを2位で終えている山田選手、そして、第1レースを浅野選手に続いて2位でフィニッシュして、第2レースでも6位で終えている中井選手が総合3位につけています。
あすの最終日のレースで、この順位がどこまで変えられるかが見ものとなっています。
常にトップで終えている浅野選手をどこまでプレッシャーをかけ続け、ギリギリのところまで攻めていけるかがキーとなり、それを常に狙っているのが、すぐ後ろにつけている山田選手や中井選手に続いて、スタートを攻め続けている鈴木選手や、総合4位につけている合志明倫選手、また、若手として期待される穴見知則選手、そして、誰よりもレース海面を念入りに走り、レースに対する熱い想いを持ち続けてる小玉欣一選手、レースではいつも上位に入り続けている国枝選手や生駒選手などです。
プロクラスメンズのほかにプロクラスウイメンズも行われ、今のところ鈴木文子選手が1位と2位でフィニッシュして総合トップで、鈴木選手に続いて須長由季選手が2位で、大西富士子選手が3位につけています。
ただし、石野田恵江選手や穴山未生選手など、上位に食い込んでくる選手は多くいるので、まだまだ最終順位は予想できません。
このほか、きょうはオープンクラスのメンズとウイメンズも行われ、メンズでは、若手で今回ダブルエントリーしている穴見知典選手が今のところ総合1位で、ウイメンズでは門谷千秋選手が総合1位となっています。
Photo:HARRY
Photo:HARRY
Photo:Harry
Photo:Harry
Photo:Harry
大会中、子どもたちや親子を対象としたウインドサーフィンスクールが開催され、多くの笑顔が溢れていました。
Photo:Harry
あすは、西から近づいた低気圧が朝には抜けて、その後徐々に低気圧から伸びる前線が夜にかけて南下してくる見込みです。
(1月17日(日)午前9時予想天気図)
(1月17日(日)午後3時予想天気図)
その影響で、きょうまでとは変わって風向きも南寄りの風に変わり、徐々に南~南西寄りに変わってくる予想です。
また、風速も低気圧の位置にもよりますが、8~10m/s程度吹き、またはそれ以上吹いてくる可能性もあります。
ただし、天気は雨で、低気圧が抜ける朝や、前線が南下してくる夕方には強く降る可能性もあります。
あいにくの天気となりそうですが、風はあすも十分に吹く見込みです。
白熱した闘いが最後の最後まで見逃せない最終日となりそうです。
あすは午前8時にセイラーズミーティングが行われ、午前9時にはヒートスタートする予定です。
あすもU-STREAMではライブ中継されるので、目が離せませんね。
文:OCEANS MAGAZINE 小川予報士(WATER KIDS JAPAN代表)
写真:OCEANS MAGAZINE、HARRY
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小川和幸
気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長
OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360
大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。
現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。