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小川和幸info

第4回全日本SUP選手権大会RACE第1日目

2015.11.08

先週のWAVEの全日本に続き、今週は全日本SUP選手権大会RACEが愛知県の新舞子マリンパークにて開催されました。

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まず、きのうは1日目として、ディスタンスレースが行われました。

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天気は、朝から雲が多かったのですが、朝焼けは雲の切れ目から見えて、大会中も日差しが出れば暑くなり、Tシャツでも過ごせていました。また、風も波もない絶好のレース日和となり、まさに海のコンディションには左右されない中での戦いで、あまり途中で波や風を使って勝負に出ることができない、それはそれで難しいレースともなっていました。

エリートクラスには、昨年の全日本チャンピオンで、日本代表として出場した世界選手権をはじめ、今年は多くの世界大会にも出て経験を積み、世界の舞台でも十分にその実力を発揮してきた金子ケニー選手がやはり注目を集め、今年も大番狂わせがなければ、順当にチャンピオンになるのでは、と多くの人が予想していました。

ただし、その陰には、昨年の全日本で惜しくもケニー選手との戦いに負けて2位となり、本当に悔しい思いをしいたげられた荒木タクジ選手が1年間のトレーニングの成果を見せるべく、まさにこの全日本に賭ける想いを真っ向からぶつけに、沖縄から参上していました。

彼の気合いは、いかにこの1年間にどんなトレーニングをしてきていたか、という以上にこの会場内にヒシヒシと伝わり、今か今かとその戦いに挑むオーラがみなぎっていました。

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いざ、エリートクラスのレースがスタートすると、予想通り、誰よりも速く、そのスタートダッシュは世界の舞台で経験してきていることを証明するかのように、ケニー選手がすぐにトップに躍り出ました。ただし、ケニー選手から少しずつ誰もが離されていく中、そのすぐ後ろには、ぴったりと荒木タクジ選手がつけて、ケニー選手からの距離を一寸たりとも離さない、という気合い十分なレース展開を見せていました。

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ケニー選手、荒木タクジ選手で1位を争いつつ、その少し離れたところでは、世界でも活躍している村林知安選手、沖縄からはるばる来た実力者である吉田竜平選手、そしてやはり実力では申し分ない柏木星詩選手の3名がやはり3位争いをしていました。

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第1マークを過ぎ、第2マークをまわって、第3マークから2周目に入るころには、1位争いをしている2名のスピードがアップしたのか、3位争いをしている3名との距離が少しずつですが、離れていっていました。

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この1位争いと3位争いは、それぞれ途中で誰が先にスパートを仕掛けるか、もしくは3位争いをしているうちに1位争いの2名との差が徐々に縮まるのか、もしくは最後の最後までもつれ、最終マークを回ってからの直線、あるいは海から上がってゴールまでの陸上でのダッシュで決まってしまうのか、誰もが予想できない展開となっていました。

しかし、レースの途中のスパートはどこも見られず、わずかに仕掛けようとしてもほかがぴったりと追随してスパートにならないのか、同じような展開で進んでいました。そして、最終マークまで1位争いと3位争いは続き、まずは1位争いです。

ケニー選手のすぐ後ろには荒木タクジ選手がぴったりと相変わらずつけています。最後の最後まで2名の距離は全く変わらず、その差は1艇身分もありません。

最終マークを回って、ここで初めて2名ともスパートをかけます。しかし、どちらも譲らず、わずかにケニー選手が先に出ているかのように見えていました。

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しかし、リーシュを外してボードから降り、ゴールまでのダッシュの瞬間、ケニー選手よりも荒木タクジ選手の方が先に出て走りだし、走りだしが速かった荒木タクジ選手が猛ダッシュでゴールまで全速力で走り切り、先にゴールを切ることができました。そしてそのすぐに後ろにケニー選手が続きましたが、その差はわずかに6秒。ケニー選手は荒木タクジ選手の猛ダッシュを見てあきらめたのか、途中で歩き出してのゴール。対照的なゴールシーンでした。

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まさに1年間の執念の勝利、という感じの瞬間でした。

エリートクラスの優勝は荒木タクジ選手で、ケニー選手は結果としては2連覇を達成することはできませんでした。

でも、レースを引っ張ってきていたケニー選手には、その実力は今年1年ですでに証明されていたし、誰もがそれはわかっていたので、2位だから惜しかったね、という言葉はかけてはいませんでした。

続いて気にいなる3位争いです。

こちらも最終マークを回ってからの勝負です。

3名とも最後の最後までパドルを緩めることはせず、1位争いと同様に、ゴールを切るまでの猛ダッシュで勝負が決まりました。

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その結果3位は柏木星詩選手で、4位が村林知安選手、5位が吉田竜平選手です。

女子のエリートクラスでは、こちらも1位争いを荒木タクジ選手の娘でもある13歳の荒木ホノカ選手と佐藤優夏選手が展開し、最終マークを前にスパートをかけた荒木ホノカ選手が見事に優勝しました。

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男子と女子で、荒木親子のダブル優勝が決まった瞬間でした。

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今回、エリートクラスのほか、オープンクラスでも、同じように風も波もない中での過酷なレースでしたが、誰もがこの全日本に賭ける想いは熱く、その情熱が本当によくわかるレースとなっていました。

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また、このレースの盛り上がりは、昨年よりもさらにパワーアップしていて、実力も上がってきていることもありますが、誰もが楽しめて、参加でき、まだまだ可能性があることが伝わった大会となっていました。

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ディスタンスレース終了後には、ブロック別対抗リレーレースが行われました。

各ブロックごとに4選手が選抜され、リレーで争われ、優勝は沖縄チームでした。

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文・写真:OCEANS MAGAZINE(小川和幸)


OCEANS WATCHER

小川和幸

気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長

OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360

大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。

現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。

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