小川和幸info
全日本ライフセービング選手権大会2日目(最終日)
2015.10.11
さて、きのうから藤沢市片瀬西浜海岸にて開催されている全日本ライフセービング選手権大会ですが、きのうの予報通り、南海上の前線や南下してくる上空の強い寒気により、朝から雨で、時折強い雨も降っていました。
また、風も南~南西寄りの風が吹き続け、朝のうちはいったん無風になる瞬間もありましたが、すぐに南寄りの風が吹きはじめ、午前中のうちに徐々に強まり、午後にはさらに強まって15m/s以上の強風となり、海上では風波のサイズもアップし、ジャンクで、競技を行う上では、ハードなコンディションとなっていました。
オーシャンでの午前中の種目であるサーフレース男女予選、ボードレース男女準決勝、ボードレスキュー男女予選、サーフレース男女決勝、そしてオーシャンマン、およびオーシャンウーマンまでは順調に消化してきていたのですが、その後さらなる強風により海上は荒れ、その後の種目について続行するかどうかの臨時緊急安全役員会議が開催され、強風の中ではリスクを伴うであろうサーフスキーを含むオーシャンマンリレーおよびオーシャンウーマンリレーの決勝は中止となり、そのほかのボードレスキュー、ボードレースの決勝も様子を見ながらの続行という条件付きで、続けることを決定しました。
その後は、さすがに決勝まで残っているレベルの高い選手たちの競技により、予定されていたオーシャンマンリレーおよびオーシャンウーマンリレー以外の競技も可能と判断され、結局ボードレスキュー、およびボードレースの男女決勝は予定通り行われ、オーシャンにおける全ての競技は終了いたしました。
そのほかビーチでは、ビーチフラッグスの男女準決勝および決勝、2kmビーチラン男女決勝、ビーチリレー男女決勝、ビーチスプリント男女決勝は予定通り行われ、全日本の大会すべての競技を終了することができました。
きょうの午後の南西風が15m/s以上吹く中での競技について、勝ち負けは別として、ライフセーバーとして、こうした悪条件の中でも、日ごろのトレーニングの成果を見事に発揮し、特にボードレスキュー競技においては、まさに沖合にいる要救助者を素早くレスキューしてビーチまで無事に連れて帰ってくるという、ライフセーバー本来の基本的な姿を見事に見ることができ、彼ら、そして彼女らのとても頼もしい姿を改めて確認することができました。
ライフセービングは、こうした競技としての意味合いもありますが、それ以前に、まずは自分の命は自分で守り、自分の命を守れない人は他人の命も守ることはできない、という志のもと、純粋にトレーニングに励み、何かあればいつでも他人に手を差し伸べることができるように、自らの心とカラダを常日頃から鍛えぬいている姿を確認することができ、とても感動いたしました。
彼らはいつも他人に対して自分にできることは何かを考え、ときに自分が犠牲になっても、必ず自分の命は自分で守り通しつつ、社会貢献への意欲を意識し、そうした志の高い集団だと思います。
もっともっと彼らの活動がいろいろな人の目に触れ、社会的な地位を確立し、活動がもっとやりやすくなるよう、応援していきたいと思っています。
夏場の海水浴場の監視業務はもちろんですが、それ以外でも正式な社会的な業務として確立できるようになることを願っています。
最新記事
OCEANS WATCHER
小川和幸
気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長
OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360
大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。
現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。