小川和幸info
WML Victoria Cup HAYAMA PRO 1日目
2015.09.04
きょうから6日(日)までにおいて、神奈川県の葉山港、および逗子海岸周辺にて、SUPの世界最高峰の大会であるWATERMAN LEAGUE WORLD SERIES Victoria Cup HAYAMA PROが開催されています。
きょうは、早速開会式に続いて、WORLD SERIES CLASS 10kmレースが行われました。
上空には寒気を伴った気圧の谷が通過し、それに伴って南海上に停滞している前線上を進む低気圧の影響で、きのうの夕方から南西風が強まり、また、それに合わせて雨も強く、朝にはこの風と雨が収まっているかどうかが心配されていました。
(午前9時実況天気図)
でも、予報通り、低気圧が通過するとともに南西風は朝のうちに徐々に弱まり、また雨も上がって、すでに午前7時ころには西の空は明るくなり、富士山もうっすらと見えてきていました。
開会式が始まる午前9時ころには雲の合間から青空も見え始め、久しぶりに夏のように気温もぐんぐんと上がり、暑くなり始めていました。
選手の控えも兼ねたメイン会場である葉山港では、世界からのトップ選手に加えて、日本国内のトップ選手たちも一同に集まり、開会式が終わると、これから始まる熱き戦いに挑む戦士たちの顔に変わり、真剣なまなざしとなって準備にとりかかっていました。
さて、いよいよスタート!
逗子海岸のスタートラインには、海外選手を含め80名弱の選手たちが一同に並び、スタートのフォーンが鳴ったと同時に、一斉に飛び出します!
スタートでは、海外選手たちのそのスピードの速さに圧倒され、それはまるでエンジンでもついているかのごとく、素早くカッ飛んでいきます!
その中でも、さすがは海外からの招待選手たちはトップ集団を徐々に作りだし、レースをリードしていきました。
まず900m沖に設置された第1マークを回航したトップ集団には、CONNOR BAXTERやKAI LENNYをはじめ、ARTHUR ARUTKIN、MO FREITASなどの姿があり、スタートしてからそのままのスピードで沖にある第2マークに進んでいきます。
沖の第2マークまでは南からの向かい風と、正面から入ってくるまとまりがないうねりや風波に向かうアップウインドで、そこでエネルギーをどれだけ消費せずにマークまで進めるかがまずは大きなキーとなっていました。
その第2マークを1位で回航したのはCONNOR BAXTERで、続いてMO FRIETASや、KAI LENNYも追随します。
その後、今度は後ろからの風やうねりを受けながら走るダウンウインドになり、一気にスピードを増してその差をさらに広げるべく滑り出すトップ集団ですが、その中でもCONNORが抜け出していました。
我らが金子ケニーはこの時点では8位。さらに前を追いかけていきます!
一番インサイドのマークを回航するときも、1位で回航したのはCONNOR。
ただし、すぐ後ろにはKAIやMO、ARTHURなども続いていて、まだまだ分かりません。
その後、2周目となる沖のブイを目指していき、最後のダウンウインドのコースをとってゴールとなる葉山港へ向かってきている最後のダウンウインドでは、CONNORに続いて、KAI、そしてARTHUR、MOと続いていました。
そして、大観衆が迎えるゴールラインを見事に1位で切ったのはやはりCONNOR!
そして2位はKAI、3位はARTHURの順でフィニッシュ!
我らがケニーは、惜しくも7位でフィニッシュ。
途中、インサイドの第3マークを回航したときには10位まで落としたものの、最後のダウンウインドで持ち前の波乗りの技術を発揮し、見事に7位でフィニッシュ。
ケニーは、このクラスになると、やはりトップ5までのスピードが違い、彼らのその速さを改めて実感した、とレース後に語ってくれました。
でも、昨年に続いて日本人最高位でフィニッシュし、しかも、昨年よりもさらにレベルの高い世界最高峰のレースにおいて7位という成績については素晴らしいと思います。
彼の中では反省点がいくつかあったようですが、手ごたえは十分にあったようで、さらにそれらを克服していけば、世界のレース経験を積んでいる彼であれば、いつかトップ3に入り、表彰台の一番高いところに登る日もそう遠くはないという可能性を感じさせてくれました。
10kmを走り終えた選手たちの顔には、海外も国内も関係なく、疲れを感じさせないくらいのまぶしいくらいの笑顔があり、このSUPという、今やワールドワイドな誰でも素直に楽しめるスポーツとしての素晴らしさを改めて感じさせてくれました。
きょうは10kmレースのみですが、あすは、オープンクラス、およびインフレーラブルの6kmクラスと、とてもエキサイトするスプリントトーナメントクラスがあります。
オープン6kmクラス、インフレータブル6kmクラスは午前9時30分スタート、そしてスプリントトーナメントは午後12時30分スタートの予定です。
また、表彰式は午後4時を予定しています。
コンディション的には、前線が南海上に停滞し、1日とおして北~北東寄りの風が吹き続ける見込みです。
ただし、あまり強まることはなく、きょうの風波も落ち着いてくるでしょう。
天気も良さそうなので、絶好のSUP日和となりそうです。
世界のSUPを間近に見れるチャンスです。ぜひご来場ください!
World Series Class 10km Race Mens成績
1.CONNOR BAXTER(HI、Starboard)
2.KAI LENNY(HI、Naish)
3.ARTHUR ARUTKIN(FR FANATIC)
4.MO FREITAS(HI、FOCUS SUP)
5.LEONARD NIKA(IT、STARBOARD)
7.金子ケニー(JPN、SIC MAUI)
13.村林知安(JPN、STARBOARD)
World Series Class 10km Race Womens
1.Candice Appleby(USA、IMAGINE)
2.FIONA WYLDE
3.MANCA NOTAR(SLOV、NAISH)
4.ANGELA JACKSON(AUS)
5.CELINE GUESDON(FR、BIC SUP)
6.横山貴代(JPN、NOAHNIC)
レース出場者全員で記念撮影!
人気者のKAI LENNYは、レースの直前まで優しくファンサービス!
KAIはメディアでも引っ張りだこ!
ちなみにきょう取材した内容はJ-COMにて放映予定です。
放映日は、9月10日(木)18:00~のデイリーニュースの中で、また、9月11日(金)18:30~の夕なびの中で紹介されます。お楽しみに!
OCEANS MAGAZINEもブース出展!
毎日の気象状況についてもレポートしています!
最後に自分も記念に!
記事:OCEANS MAGAZINE編集長
小川(オフィシャル気象予報士)
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小川和幸
気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長
OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360
大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。
現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。