小川和幸info
TAKIさんをしのぶ会
2015.08.29
きのう8/28に、神奈川県葉山港の海の見えるスペースにて、亡き、日本を代表するウォーターカメラマンであるTAKIさんこと滝口保さんをしのぶ会が開かれました。
TAKIさんは昨年から体調を崩し、いったんは退院をされたものの、今年の夏前に再度体調を崩し、8月4日に天国へ行かれました。
生前、TAKIさんは、ウインドサーフィンのバブルとともにウインドサーフィンなどを撮り続け、雑誌HI-WINDなどのカメラマンとして世界を駆け巡り、また、プロウインドサーファーとともに大会の撮影や旅もしながら、まだ日本人が撮ったこともなく、はじめて日本に紹介するウインドサーフィンシーンを数多く残した、日本を代表するウォーターカメラマンとして君臨していました。
当時、プロウインドサーファーにとって、彼に撮ってもらうことはひとつのステイタスとなり、それに憧れてプロ生活を送っていたプロウインドサーファーたちも少なくありませんでした。
その中にはすでに天国で私たちを見守ってくれている飯島夏樹もそのひとりです。飯島夏樹は、8年間世界で戦い続けたプロウインドサーファーで、癌が発病してからも「天国で君に逢えたら」という小説を書いて今にその名を残しているとともに、亡くなった後でも「life 天国で君に逢えたら」という映画も公開され、TV番組も放映されていることは知っている人も少なくないと思います。今でもプロウインドサーファーの心の中では彼は生き続けていると思います。
飯島夏樹以外にも、TAKIさんと一緒に世界を回り続けたプロウインドサーファーやその関係者も多く、そうした方々が一同に集まった会でした。
見てみれば、そこには今では日本を代表するそうそうたるウォーターマン達の姿があり、久しぶりに会うこともできたこともあり、きっとTAKIさんが彼らを結び付けてくれたんだと思います。
また、そうしたウォーターマン達を撮り続け、彼らを励まし、育ててくれていたTAKIさんの偉大さを改めて思い知らされました。
海での活躍以外にも、TAKIさんはスノーボード界でもその名を知らしめ、スノーボードというスポーツが日本で広がり始めた経緯の中にも、彼の名を外すことはできないほどのプロカメラマンで、ウインドサーフィン同様に、彼とともに世界を飛び回った日本のトッププロスノーボーダーも少なくありません。
山の関係者によるTAKIさんをしのぶ会も今後企画されているということですが、TAKIさんの各業界への貢献は数知れず、いつまでも、その話は尽きることはありませんでした。
ちなみに個人的なことですが、自分も実はHI-WIND時代にTAKIさんと一緒に仕事をしたことは数多く、右も左もわからない雑誌作りという中で、TAKIさんに教わったことも多くありました。
また、今では、TAKIさんと一緒に仕事ができたことをとても誇りに思っています。
HI-WINDを辞めてからも、TAKIさんと何度かお会いしつつも、一緒に仕事はできなかったのですが、いつかまた一緒に仕事がしたいとずっと思い続けていました。
彼のまじめで謙虚な姿は、本当に頭が下がり、そうした彼の姿勢が、プロウインドサーファーやプロスノーボーダーたちにも慕われ、だからこそ歴史に残る素晴らしいショットを撮り続けることができ、日本を代表するトッププロカメラマンとして世界で認められていたのだと思います。
TAKIさんが亡くなってしまったことについては本当に残念で、10年以上も連絡もとれずにいた自分がとても悔しいのですが、でも、彼はみんなの心の中で生き続けると思いますし、きっと、天国で飯島夏樹らとともに楽しい撮影をしているのだと思います。
本当にありがとうございました。
安らかにお眠り下さい。
OCEANS MAGAZINE編集長
小川和幸
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小川和幸
気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長
OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360
大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。
現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。