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大進撃!チームアビームがスリーボンドへ迫る。リオ五輪日本代表選考/バルクヘッドマガジン

2015.07.03

7月2日、デンマーク・オーフスで開催されているリオ五輪日本代表選考「470級ヨーロッパ選手権」4日目。微風・軽風レースだったこれまでのうっぷんを はらすかのような良い風が吹いています。沖に白波が立ち始め、南東(海風)10〜14ノットでレース開始。本日、見せ場を作ったのは、チームアビームでし た。第一次選考のプリンセスソフィア杯と同じく土居一斗/今村公彦が、松永鉄也/吉田雄悟(スリーボンド)に迫る大進撃を見せました。(BHM編集部)

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第一次選考のドラマ、リバイバルか? 風が上がった大会4日目。土居一斗/今村公彦がメダルレース圏内の9位まで急上昇しました。photo by Junichi Hirai

またしても予想できない展開が待っていました。前日の22点差が9点差にまで縮まるとだれが予想できたでしょうか。土居/今村は、スタートから積極 的に攻め、風上、風下の両艇がBFDで失格になるなか、ギリギリのポジションから好スタートを決めました。その後、左展開の読みをハズさず、1上マークを シングル上位で回航。フィニッシュは本大会最高順位となる3位を獲得しました。勢いづいた土居/今村は、つぎのレースでも松永/吉田を抑えて15位フィ ニッシュ。9-22位の松永/吉田が総合7位に下がったのと対照的に、14位から9位へジャンプアップしました。

また、女子の戦いも緊迫感が増してきました。山口祥世/畑山絵里(ノエビア)は、前日までとは変わって風が上がり波がある海面で、前を走ることが できず苦しい展開になりました。反対に、風を得てパワーを取り戻したのは吉田 愛/吉岡美帆(ベネッセ)です。相手との得点差を意識しながら着実に前にでて11-5位(総合12位)。山口/畑山に対して1点差まで詰めました。

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松永鉄也/吉田雄悟。決勝シリーズに入り持ち味でもある安定感ある走りが発揮できていません。photo by Junichi Hirai

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フィニッシュ後、思わず笑みがこぼれた土居/今村。「明日はメダルレースに入ることが絶対。食らいついてメダルレースに残り、逆転を狙いたい」と土居一斗。photo by Junichi Hirai

早ければ明日リオ五輪日本代表が決まる可能性あり

中風のコンディションで2レースを終え、日本代表選考は最高潮に混沌としてきました。男子は、土居/今村の大進撃により勢いは一気にチームアビームに。奇襲を受ける松永/吉田が自分を崩さず、どこまで踏ん張れるのか。また、女子は、明日の風が微軽風に戻るようなら山口/畑山の再浮上も考えられま す。お互いのポイントを計算しながらレースをおこなうという展開になりそうです。

決勝シリーズは残り2レースです。明日の結果で最終日のメダルレース出場の可否が決まります。日本代表選考は、上位10艇までのメダルレースに残 るか、残らないかで代表が決定する可能性があります。第一次選考で上位に立つ男子の松永/吉田、女子の吉田/吉岡だけが上位10艇に入り、他が入らなかっ た場合は、その時点で代表決定(日本セーリング連盟の正式発表はメダルレースが終わり最終成績が出た後、得点計算を経てからになります)。また、だれもメ ダルレースに進まなかった場合も、その時点でレース終了となるため代表が決まります。

代表決定のストーリーは幾通りか思い浮かぶのですが、すべて明日のレース次第です。果たして日本代表は明日、決まるのでしょうか? それとも勝負は最終日へもつれるのでしょうか? 手に汗握るデンマーク・オーフスの戦いに注目です。

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1点差まで詰めた吉田愛/吉岡美帆。厳しいに終止符を打てるのでしょうか? 明日も正念場です。photo by Junichi Hirai

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470女子のスタート。大会4日目はシルバーフリートが12時から、ゴールドフリートは14時からおこなわれました。明日5日目は11時ゴールドフリートスタートの予定です。photo by Junichi Hirai

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風が変わって成績を崩してしまった山口祥世/畑山絵里。photo by Junchi Hirai

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市野直毅/長谷川孝はケースもあって27位へ順位を下げました。photo by Junchi Hirai

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水を得た魚のように2位を引き離し、本日1-1位で4位まであがったマット・ベルチャー(AUS)。にっこり。photo by Junichi Hirai

470級ヨーロッパ選手権 4日目 男子成績 参加60艇
ゴールドフリート
1. GER Ferdinand Gerz / Oliver Szymanski 5-1-11-5-7-1-5-4-(12) 39p
2. USA Stuart Mcnay / David Hughes 2-2-2-(31 BFD)-3-5-22-5-2 43p
3. GRE Panagiotis Mantis / Pavlos Kagialis 6-8-6-8-1-(27)-14-2-6 51p
4. AUS Mathew Belcher / Will Ryan 4-20-12-3-2-(24)-9-1-1 52p
5. RUS Pavel Sozykin / Denis Gribanov 1-14-1-2-7-12-(16)-14-9 60p
6. GBR Luke Patience / Elliot Willis 7-6-1-10-6-13-17-6-(31 DNF) 66p
7. JPN 松永鉄也/吉田雄悟 11-4-2-8-2-(23)-11-9-22 69p
8. FRA Sofian Bouvet / Jeremie Mion 11-15-4-18-9-9-1-(22)-3 70p
9. JPN 土居一斗/今村公彦 9-11-(18)-13-10-7-10-3-15 78p
10. ARG Lucas Calabrese / Juan De La Fuente 5-14-5-13-4-2-26-(31 UFD)-10 79p
27. JPN 市野直毅/長谷川孝 13-23-21-2-17-21-2-28-(29) 127p
シルバーフリート
15. JPN 飯束潮吹/八山慎司 24-21-24-25-(31 BFD)-10-9-2-31 UFD 146p

470級ヨーロッパ選手権 4日目 女子成績 参加48艇
ゴールドフリート
1. NZL Jo Aleh / Polly Powrie 1-1-2-1-4-4-(5)-1-1 15p
2. FRA Camille Lecointre / Helene Defrance 3-8-5-2-6-1-(12)-7-7 39p
3. SLO Tina Mrak / Veronika Macarol 5-4-4-8-6-3-(25 DSQ)-6-3 39p
4. USA Anne Haeger / Briana Provancha 5-14-6-3-1-11-(16)-3-4 47p
5. GBR Sophie Weguelin / Eilidh McIntyre 3-2-3-(17)-14-9-14-2-2 49p
6. GER Annika Bochmann / Marlene Steinherr 6-5-4-8-5-(20)-6-9-8 51p
7. GER Nadine Boehm / Ann-Christin Goliass 4-18-6-9-2-6-1-(21)-9 55p
8. ESP Marina Gallego / Fatima Reyes (20)-6-5-5-3-13-3-5-16 56p
9. NED Afrodite Kyranakou / Anneloes Van Veen 2-4-8-10-11-(17)-15-4-6 60p
10. JPN 山口祥世/畑山絵里 7-9-2-2-2-5-13-(24)-23 63p
11. POL Agnieszka Skrzypulec / Irmina Gliszczynska 2-10-9-3-8-(18)-8-10-13 63p
12. JPN 吉田 愛/吉岡美帆 11-5-8-12-1-(16)-11-11-5 64p

◎470European Championship
http://2015europeans.470.org/en/default/races/race
◎バルクヘッドマガジン・フォトギャラリー
https://www.facebook.com/bulkheader

 

バルクヘッドマガジンより

http://bulkhead.jp/category/news/


OCEANS WATCHER

小川和幸

気象予報士、オーシャンプロデューサー
出生地 東京都目黒区
居住地 神奈川県茅ケ崎市在住
WATER KIDS JAPAN代表
OCEANS MAGAZINE編集長
特定非営利活動法人EARTH WIND & WAVE CLUB理事長

OCEANSMAGAZINE facebookページhttps://www.facebook.com/pages/Oceansmagazine/1503862653179360

大学では体育会ヨット部に入部し、副将として部員をまとめるとともに、大会では学生選手権大会で優勝し、全日本選手権大会では総合6位入賞という結果をもたらす。
その後、卒業とともにウインドサーフィンの魅力に魅せられ、それ以来、20年以上続ける。また、趣味を仕事にと、マリンスポーツ雑誌の老舗マリン企画へ入社し、ウインドサーフィン専門雑誌であるHi-Windで8年間広告営業として働く。
また、Hi-Wind時代に気象予報士の資格を取得し、世界最大の気象会社ウェザーニューズ社を経て老舗波情報である波伝説(サーフレジェンド社)へ転職して、14年間、海専門の気象予報士として働く。その間には、ラジオやTVで海の気象情報を伝えながら、日本国内におけるWCTやWQS(プロサーフィン世界大会)、プロウインドサーフィン大会、遠泳では湘南オープンウォータースイミング大会などのオフィシャル気象予報士として、マリンスポーツにおける海専門の気象予報のプロとして活躍。

現在は、独立してWATER KIDS JAPANを設立し、海の気象情報アプリ「ISLANDS WATCH」を企画・運営中。
また、特定非営利活動法人「EARTH WIND & WAVE CLUB」も立ち上げ、地元茅ヶ崎や奄美大島にて、その日のコンディションに合わせてマリンスポーツを楽しみながら、子どもから大人までに海の素晴らしさや奥深さを伝えている。

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